第二部 1978年
ソ連の長い手
燃える極東 その3
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、切り掛かる。
脇から第一中隊長も同様に薙ぐようにして、ゼオライマーの左側から剣を打ち付ける。
いくら自分達より優勢な敵とはいえ、指呼の間に入られてはご自慢の光線銃も使えまい……。
連隊長はそう考えて、切り掛かかる。
一瞬射撃が止むと、二機のMiG-21 バラライカは飛び掛かった。
ゼオライマーは両手を上げると、手甲で長刀を押さえつける。
鈍い金属音と共に、一瞬火花が飛び散る。
次元連結砲の照準をを合わせ、射撃してきた。
敢て直撃させず、牽制するかのように光線を放つ。
そこは精鋭・ヴォールク連隊の強兵……。
光線をするりと避けると、左手に持った突撃砲を至近距離でぶっ放した。
残弾表示が0になるまで打ち付けると、下部に備え付けられた105o滑腔砲が咆哮を上げる。
殷々とした砲弾は、連続した轟音を響かせ胸部装甲に直撃。
白亜の機体は、漠々たる煙塵に包まれる。
あの業火と噴煙の中に在っては、操縦士は生きてはいぬだろうと想像した。
連隊の衛士誰も彼もが、血走った眼を火線に曝し、汗ばんだ手で操縦桿を握りしめる。
随伴歩兵たちは茶色の戎衣を纏った身体を震撼させていた。
日は登り気温は上昇しているのに……、まるで雹にあったかのように寒気を感じさせる存在。
今にも50メートルもあろうかと言うの鉄の巨人が、推進装置を吹かして突っ込んで来やしないか……。
そんな怖れを抱かせたからだ。
その恐怖は現実のものになった。
周りを取り囲んでいた噴煙が晴れると、白亜の機体を日光が照らす。
ゼオライマーの全体は塗装の禿げた所も無ければ、頭部の角飾りも欠けたところも見当たらない。
息をつく暇もないくらい激烈を極めた、突撃砲の斉射を受けたというのに……
「中々歯ごたえのある敵になりそうだな……」
マサキは不敵な笑みを浮かべると、推進装置の出力調整を行う。
通常の5分の一以下にメモリを合わせると、戦術機の方に突っ込む。
右手の拳を繰り出し、次元連結砲を咆哮させる。
閃光が光ったかと思うと、周囲の物をなぎ倒す勢いで連隊長機に衝撃波が直進する。
一瞬にして連隊長機は吹き飛ばされる。
「連隊長!」
爆散こそ免れるも、跳躍ユニットは衝撃波の影響で使えなくなってしまった。
その様を見ていたマサキは一瞬俯くや、くつくつと喉の奥で押し殺すように笑い声をあげる。
「この木原マサキを弄ぶとは、なかなかの者よ。面白い。
楽に死ねると思うなよ……」
横に90度振り向くと、左側から切りかかって来た第一中隊長機目掛けて次元連結砲を放つ。
長刀を持つ右前腕部を吹き飛ばした。
「火線に付け!」
号令と共に、突撃砲が轟音を上げながら再び火を噴いた。
一列に並んだBM-21 グラ
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