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レーヴァティン
第二百五十四話 両者の再会その四

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「だからな」
「それで、ですか」
「後は場所だ」
 話をして条約を結ぶそこだというのだ。
「俺達もそう考えていたところだったんだ」
「そうでしたか」
「それじゃあな」
「ヴェネツィアで、ですね」
「会おうって伝えてくれ」
 英雄達にというのだ。
「いいな」
「それでは」
 使者は久志の言葉に頷いた、そして。
 ここでだ、久志は使者に笑ってこうも言った。
「こっちも美味いもの用意するからな」
「そうして頂けるのですか」
「ご馳走に酒もな、だからそちらもな」
「美味しいものをですか」
「用意してくれとな」
 その様にというのだ。
「英雄、そっちの将軍様に伝えてくれるか」
「わかりました」
「こっちの世界にいるとな」 
 久志は笑ってこうも言った。
「刺身とか天麩羅とかうどんとか食えなくてな」
「そうしたものをですか」
「食いたいしな」 
 だからだというのだ。
「カルパッチョやフライやスパゲティは用意するからな」
「幕府もですね」
「用意して欲しいってな」
 馳走をというのだ。
「酒もな」
「そちらもですね」
「用意して欲しいな」
「こちらのお酒ですか」
「日本酒な」 
 久志は笑って酒の名前も話に出した。
「それをな」
「飲まれたいですか」
「ああ、こっちの世界に来てずっと飲んでなかったんだよ」 
 起きた時は飲んでいる、だがこちらの世界では全く飲んだことがなく久志も彼の仲間達も日本酒が恋しくなっているのだ。
「だからな」
「それで、ですね」
「飲みたくてな」
「幕府はですね」
「是非な」
 まさにというのだ。
「飲みたいんだよ」
「ではそのことも」
「あいつ等に伝えてくれるか」
「そうさせて頂きます」
 幕府からの使者、紋付烏帽子代紋のその者は厳粛な態度で一例して応えた、そしてその後でだった。
 使者は退いたが久志はその後で同席していた仲間達に問うた。
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