第二百五十四話 両者の再会その三
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「神託を伺ってから手を結ぶよりも」
「今からだな」
「手を結びまして」
そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「ことを進めていこう」
「そうしましょう」
見れば誰も反対はしない、仲間達だけでなく主な幕臣達もだ。帝国と同盟を結ぶことは既定路線であったのでそれがすぐになっても反対する理由はないからだ。
それでだ、誰も反対しなかった、だが。
奈央は考える顔になりそれで言った。
「問題は何処で話をするか」
「そのことだな」
「同盟を結ぶにしても話をしてね」
そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「条約に調印する必要がある」
「政のことは口約束だけじゃ駄目でしょ」
「そうだ、紙がどうしても必要だ」
「それでその書類によ」
紙即ちそれにというのだ。
「サインをすることもね」
「必要だな」
「そう、だからね」
「何処で話をするかもな」
「決めないとね」
絶対にというのだ。
「駄目だから」
「それでだな」
「そこも決めましょう」
「ではな」
「あちらに使者を送って」
「そうして話していくか」
「場所のこともね」
「ではな」
英雄も頷いた、そうしてだった。
幕府は早速西の浮島に使者を送った、使者はアテナイに着いてそこから船でローマに赴いてだった。
その街で久志に幕府の考えを話した、すると久志は皇帝の玉座から使者に答えた。
「じゃあこっちで話すか?」
「西の浮島で、ですか」
「ああ、それでその場所はな」
話をして条約のサインを行うそこはというのだ。
「ヴェネツィアがいいか」
「あの街で、ですか」
「あの街は景色がいいし会談するのにいい宮殿があるからな」
久志は笑顔で話した。
「だからな」
「それでは」
「ああ、そこで話してな」
そしてというのだ。
「サインもするか、お互いに」
「では」
「ああ、俺達も条約を結ぶことに賛成だ」
笑ったままこうもだ、久志は使者に話した。
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