第十二部
12-1
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男の子に見えたんですよね。だけど、女の子だった。そして、人に対しても優しいし、話をしていても素直で賢いのがすぐにわかったんです。なんか、僕の心の中に飛び込んでくる感じだった」
「だから 香波もあなたとつながっていると思ったのよね」
「そうです 僕は香波を離したくありません ずーと。 仕事が落ち着いたら、結婚したいんです お願いします そのときは 香波を 僕に 任せてください」と、巧はお父さんとお母さんに手をついて頭を下げていた。私も、あわてて、頭を下げていた。
「いゃ そのー 頭を上げてください ワシは香波が幸せになるんだから これ以上のことはないと思っている。君も立派な男だと思う。だけど、ここに居る聡も燿も香波もワシの宝なんだ。その宝の一つを奪っていくんだったってことだけは忘れんでくれよな」
「わかってます 僕は、香波と一緒に幸せになるんです」と、はっきり言ってくれた。私、その言葉がうれしかったのだった。
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