第二十七話 お菓子を食べつつその八
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「私小一と小二の時一緒のクラスだったわ」
「私中一の時にね」
「あの娘今G組だったわね」
「普通科のね」
「あの娘ビスマルク好きよね」
「そう、そのビスマルクだけれど」
理虹はその彼のことをバウムクーヘンを食べつつ話した、一華達から見てドイツを代表するお菓子である。
「あの人保守的だったけれど」
「そうした人で有名よね」
「けれどリベラルな学校にいたそうよ」
「そうだったの」
「当時としてはね」
このことを話した。
「実はね、けれどね」
「それでもだったの」
「そう、その校風にね」
それにとだ、一華にバウムクーヘンを渡しつつ話した。
「馴染めなくて」
「保守的だったのね」
「というかさらにね」
校風に馴染めずにというのだ。
「保守的になったそうよ」
「そうだったのね」
「それで今上陛下は」
理虹は今度は日本の話をした。
「イギリスに留学されて」
「それでなのね」
「その影響が強いそうよ」
「そうだったの」
「それ昭和帝もよね」
留奈はこの方の話をした。
「欧州に行かれて」
「それでリベラルなお考えになられたっていうわね」
「だからその場所の影響を受けるか受けないか反発するかは」
「それぞれね」
「どう見てもね」
留奈はこうも言った。
「ビスマルクでリベラルってね」
「ないわね」
「頑固親父みたいな顔じゃない」
肖像画のそれはというのだ。
「実際二十何度も決闘して勝ってるそうだし」
「強いわね」
「背は一九〇あって」
当時のドイツではかなりの大柄だった。
「額に向こう傷まである」
「そんな人だったから」
「もうリベラルよりも」
「保守的ね」
「どう見てもね」
それこそというのだ。
「あの人は」
「あとあの人大食漢で」
富美子はビスマルクのその話をした。
「生牡蠣百個とか茹で卵十何個とか食べてたのよね」
「それ凄いわね」
「やっぱり一九〇もあると」
背即ち体格がというのだ。
「食べるわね」
「そうね」
一華もそれはと頷いた。
「というか生牡蠣それだけ食べたらあたらない?」
「思いきり心配よね」
「実際食べ過ぎたらあたるでしょ」
牡蠣はそうしたものだ、そしてあたったならばその後で食べてもまたあたり地獄の様な苦しみを味わうことになる。
「それじゃあね」
「ビスマルクさんもあたったかもね」
「そうよね」
「それであの人保守的でね」
かつとだ、富美子はあらためて話した。
「そしてね」
「大食漢だったのね」
「そうだったみたいよ」
「そうなのね」
「まあ大食漢ってのは環境と関係ないわね」
「それはね」
「まあお腹一杯食べられたらね」
それならと言うのだった。
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