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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第十九話「少年の強さ」
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エレギオは困ったように肩をすくめた。

「別に助けに行くのが駄目って訳じゃあない。ただ、俺も一緒させて貰おうって話だよ。
 道案内の役には立ってやろうってんだ。お前まだクルセイドの地形には詳しくないだろう?」

「ならさっさと連れて行け!」

その言葉にエレギオは少しだけニヤリと笑って腕輪の形態のドラゴンソウルを放り投げた。灰色の魔力光が辺りに溢れ、そして軍服の様なコートのバリアジャケットを身に纏ったエレギオが居た。同時にドラゴンソウルはライフルの形態になり空中で二回転した後強力な磁石で引き寄せられたかのようにエレギオの手に収まる。
実の所あの夢? を除けばリオンがエレギオのバリアジャケットを見るのは今回が初めてである。晶術の波長を調べたときにはドラゴンソウルをライフルに変形させただけだったのだ。だがそれだけではエレギオの変化は終わらなかった。

「『天上眼(セレスティアイ)』……発動」

その言葉と共にエレギオの瞳がまるでエメラルドの様に澄んだ緑色の輝きを放った。
いつものリオンならそれなりのリアクションがあったかもしれないが生憎今のリオンは怒り心頭でそんなものを望めるような要素はない。その事についてエレギオが内心一抹の寂しさを覚えたのはまた別の話。

「行くぞ、こっちだ」

エレギオのその言葉と同時に二人は駆け出した。エレギオもリオンもそれぞれ魔力と晶力で強化しているからか、二人とも眼にも留まらぬ凄まじい速さだった。

−−−−−−−−

エレギオの『天上眼(セレスティアイ)』は確かにレーダーとして並外れた性能を持っている。
優秀なレーダーは正確な状況……即ち真実をそのままもたらしてくれる。だがその真実そのものが常に好ましい物でないのはフェイトの事からも分かるだろう。そして今回もその例に当てはまっているらしい。エレギオは自分の目からもたらされる情報(真実)に思わず舌打ちした。

「オイオイ……随分と物騒なお友達が居るじゃねえのあの娘。
 真面目そうにみえたけどな年頃の女の子の事は男にはわからねえってことかぁ?」

「そんなにか?」

「Sランクが一人にAランクが多数(うじゃうじゃ)。良くもまあこんな数揃えたもんだ」

「なんだとっ」

「騒ぐな。舌噛むぜ」

自然と二人の速度がさらに上がりもはや走っていると言うよりも地面を滑っているようにさえ見えた。
同時にエレギオの眼がさらに強い輝きを放つ。それが目的地(フェイトの居場所)に近づいているのだとリオンは悟る。
しばらくしてエレギオが突然立ち止まった。何事かとリオンが口を開く前に頭の中に声が響いた。

「(念話だ、使い方はわかるな?)」

「(造作も無い)」

地球でフェイトやアルフからその位は教わっていたので念
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