第二章「クルセイド編」
第十九話「少年の強さ」
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って……僕はそんな事何も」
「アンタみたいにずけずけと物を言ってくれる奴があの子には必要なんだよ。
フェイトは……切欠が無くちゃあ思考停止しちゃうからさ。難しく考えすぎんだよ」
その声は何処までも切実で……そして本の少しの悔しさも含んでいた。リオンはそれでも中々返事ができずただ黙って……………………………………………………見かねたシャルティエが「坊ちゃん」と呼びかけた。
「僕はできると思います。フェイトさんは坊ちゃんを必要としていると思います。アルフさんやフェイトさんが知らない坊ちゃんを知っている僕がそう言うんだから間違いないですよ」
「シャル……だが、僕は……」
リオンはその続きを言う事ができなかった。なぜなら突然リオンの腕輪……虚数空間に落ちて尚壊れなかったプレシアお手製の端末がけたたましく鳴り響いたからだ。リオンはこの音を聞くのは二度目だ。一度目はフェイトが真実を知った時。なぜかリオンはその通話の相手が誰だかわかった。流石に戸惑ってアルフを見ると彼女は強く頷いた。
「出なよ……フェイトがアンタを呼んでるんだ」
リオンは口では答えなかった。
全速力で彼女の元へ向かう事が何よりの答えだと悟ったから。
−−−−−−−−
アルフの元から飛び出して端末を手に取る。リオンが何か言うよりも早く機械的な、それでいて感情的な大声がスピーカーから流れた。
「リオンさんですか!?」
「バルディッシュか。どうした。そんなに慌ててお前らしくも無い」
「緊急事態なんです! サーが敵と戦っていて、ですがサーは」
「もう良い。大体解った。敵は何だ? 魔法生物か?」
「いえ魔導師です。それもかなり腕利きの。お願いします! サーを助けてやって下さい!
さっきの事は謝らせますからどうか!」
「全く、アルフと同じ事を言われたぞ。今行く、座標を――――」
「――――お取り込み中失礼するぜ。ポチッとな」
背後からそう聞こえると同時に突然通信が切れた。リオンはシャルティエを鞘から抜いて二歩下がる。みるとそこには妙な赤いボタンが付いた機械を握ったエレギオが居た。彼はそのリオンの警戒度MAXといった様子に若干眉を潜めながら口を開いた。
「困るんだよね。俺としてもさ、勝手な事されるとね」
「黙れ。僕は今現在最高に気分が悪いからな、痛い目に合いたくなければそこを退け」
「嫌だね。さっきの電話、盗み聞きのつもりはなかったが生憎聞こえちまったんでな。
状況は把握してる。あの娘助けに行くんだろ?」
「わかっているのならそれは胴体に別れを告げたいと言う事か?
生憎時間がないんでな。それにこう言うのもなんだが僕自身気が長いわけではない……手段は選ばないぞ?」
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