第20節「四天の四騎士─アルカナイツ─」
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「分かっているならそれでいい。お前の仕事はこの後だ」
「では、最終チェックでもしてきます。不確定要素は少しでも潰しておきたいので」
キャロルに向かって一礼すると、ノエルは玉座の間を後にする。
大扉を閉め、キャロルから姿が見えなくなったところで、彼は壁に拳を叩きつけた。
「甘い、温すぎるッ!オリジナルでありながら、未だ完全に復讐へ身を窶せずにいるなんて……ッ!」
ノエルは腰に提げた短剣を再び取り出す。
血のように赤い目玉は、妖しい煌めきを宿してノエルを見つめていた。
「やはり僕が果たさなくては……。キャロルではダメだ。キャロルの復讐心を正しく受け継いだのはこの僕だ……」
身を焦がすように憎悪が込み上げる。
血が沸騰し、逆流するような感覚と共に殺意が迸る。
復讐するは我にあり!!今こそ未熟なオリジナルを超え、この世界へと復讐しよう。
ノエルは短剣を握ったまま、研究室へと戻って行った。
新たな計画に向けて必要となる、あるものを構築するために。
ff
氷が割れると共に、アルカ・ノイズのジェムが粉々に砕け散った。
それを見たミカはダインと名乗ったオートスコアラーへの警戒心を顕にする。
「お前、マスターの敵なんだゾ?」
「まあそういうこった。ここでテメェをブッ倒──うおッ!?」
ミカの掌から放たれた、赤熱色に微光する結晶体──高圧縮カーボンロッドが、ダインを掠めて背後で爆発した。
「マスターの敵なら排除してやるんだゾ!それがミカ達の役割なんだゾ!」
「テメェ……上等じゃねぇかクソガキがァ!!」
ダインの両腕の前腕下部に氷の刃が形成される。踏み込みから一瞬で間を詰めたダインは、ミカの頭部へ目掛けて氷刃を振り下ろす。
だが、ミカは咄嗟に生成したカーボンロッドを棒状武器として握り、防ぐ。
「危ないんだゾ!」
「テメェの方がよっぽど危ねぇだろうが!話の途中でブッパしやがって!!」
空いた腕で、もう片方の氷刃をカーボンロッドに叩きつける。
するとカーボンロッドは、氷刃に触れていた箇所からポッキリと折れてしまった。
「ゾッ!?」
驚いたミカは折れたカーボンロッドを見る。
高圧縮、超高熱のカーボンロッドは、氷刃を防いだ箇所が凍り付いていた。
「氷は炎に弱いとか思ってねぇだろうな?」
ミカの反応を見たダインは、ニヤリと口角を上げる。
そしてバックステップで距離を取り、再びダインは足場を氷結させながら氷刃を振り上げる。
「今度は直接斬ってやるぜぇえッ!!」
「負けないゾッ!ミカは一番強いんだゾッ!」
ミカは両掌をダインへ向けてカーボンロッドを生成し、連続で射出した。
ダインは向かってくるカーボンロッドを次々と氷
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