第20節「四天の四騎士─アルカナイツ─」
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「ッ……はぁ、はぁ、はぁ……」
薄暗い研究室の中で、少年は息を切らしていた。
額には脂汗が滲み、全身汗だくだ。
「これは……間違いない……魔剣の……」
実験器具の並んだ机の上には、妖しく輝く呪いの短剣。
苦しみながらも、しかしその輝きに魅入られたかのように短剣へと手を伸ばすと、少年は苦しそうに身を捩った。
柄から身体中に何かが流れ込んでくるような感覚と共に、激しい頭痛が彼を襲う。
まるで脳の中を直接掻き回されるような痛みに耐えきれず、彼は頭を抱えて床に転げ回った。
「うッ……あぁ……あ゛ぁ゛ッ゛!!」
やがて、少年は糸の切れた操り人形のように動かなくなる。
しかし次の瞬間、少年はゆらりと起き上がった。
「くッ……くく、ククク……アハハハハハハハッ!!そうか、そういう事だったのか!!」
狂ったように笑い出す少年。
その瞳は既に正気を失っていた。
「僕の生まれた理由は……為すべき事は、そういう事だったんだ!!」
少年は、ゆっくりと立ち上がる。
そして、目の前の実験台に置いてある自らの愛剣を手に取ると、それを腰元へ構えた。
そして少年……ノエルは部屋を後にした。
ff
「俺はダイン。ダイン・リーベンヘルツ。テメェらのくっだらねぇ復讐劇を終わらせに来たぜ」
同じ頃、ガリィ達の前にもそれぞれ男性型のオートスコアラー達が現れていた。
「お前か。名前は確か……」
「ゲノモス・カーロ。忘れてねぇよな、レイアちゃんよぉ」
「あら、あなたは……」
「シルヴァ・シュベールトでございます」
「サンディ・クロイツ」
「我ら──」
「「「「四天の四騎士ッ!!」」」」
四体とも色違いの執事服に身を包み、凛とした佇まいで見栄を切る。
それらは以前、グリムと共にチフォージュ・シャトーに襲撃を仕掛けてきた4体のオートスコアラーであった。
ff
「お久しぶりですわね。こんな所でお会いすることになるとは思いませんでしたわ」
「貴女がたの動きは逐一把握出来るよう動いておりましたので」
ファラの前に現れたのは、白いシャツに緑のベスト、七三分けにした翡翠色の髪のオートスコアラー。名をシルヴァ・シュベールト。
見た目や口調、物腰からも紳士然とした雰囲気が溢れ出ている。
「あらやだ。シルヴァさんともあろう紳士が、ストーキングなんて変態的な行動に出るなんて。エレガントさが足りないのではなくて?」
わざとらしく口に手を当てるファラ。
シルヴァは困ったように肩を竦めながら笑った。
「はは、これは手厳しい。しかし、これも世界を守るためです。貴女がたのマスターの企みは、絶対に阻止させていただきます」
「いいえ。マスターを止め
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