第十二話:助っ人登場!?意外過ぎる救世主!!
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だから。
「…なので、多少は”正史”…いえ、もう随分変わっていたのでしたか」
独り言を零しながらセイラの歩んでくる速度は変わることはない。
その独り言に少年たちは全部聞き取ることが叶わず、ひたすら恐怖と焦燥感に駆られるように強く打つ己の心の臓の音を聞くのが精一杯であった。
こんな状況からどう打開すべきか、なんて考える余裕もない。
おそらく今パニックになっているということだけが、僅かに諦めに近い感情を最初持っていた少年だけが気づいていた。
だからこそ、目の前の姉が口にするであろう死刑宣告だけを耳が拾ったのだろう。
「とりあえず、ラクサス・ドレアーに死んでいただかなくてはいけませんね」
「……は?ね、姉さん…?」
機嫌のいい声で自分の友に対して口にした宣告をネロは受け入れられないでいた。
さっきまで確かに自分たちを始末する気で闘っていた。
しかし、茜色の少年はそれを100%信じていなかった。
きっと心のどこかで、自分たちを本当に殺す気がないと願っていたのかもしれない。
現実はそれを許していなかった。優しくもない。
セイラ・ハバードは、確かに弟の友である少年の息の根を止める気なのだと、ネロは光が消えそうな瞳で姉を見つめる。
やめてくれ、と瞳でそう訴える弟にセイラは優し気に言うのだ。
「これも全てネロさまのため。 ―――早めに”超サイヤ人”に目覚めた方が、ネロさまもうれしいですよね」
”超サイヤ人”――ネロが持っているある知識の中にある、1000年に一人の戦士のサイヤ人。
しかし本来の作品であるあの世界は、純粋な心と激しい怒り、尚且つある一定量の細胞が必要だということがネロが知る”超サイヤ人”に到達するための条件である。
ネロは知っているのを一度も姉にそのことを話したことはない…のだが、話さなくても彼女は知っているのだろう。
何故ならば、セイラの上に居る――スプリガンが教えた可能性がある。
教えていなくても、この世界のサイヤ人の中に目覚めている者もいるのだろうが。
その可能性を思いつくのは、この闘いの後になるのだが。
★★★★★★★
『やめてくれ』、と声をあげて最悪の光景を回避しようとするする茜色の少年が居た。
『まだ、倒れるわけにはいかねえ』、と残り少ない魔力で、友の前で立ち向かおうととする金髪の少年が居た。
『全てはネロさまのために、死になさい」と愛の為に少年に無慈悲な一手を振り下ろさんとする異形の女が居た。
―――『これ以上やらせはせん』
そう言って、無慈悲な一手を阻止する戦士が現る。
「……そうきたか」
黒魔導士は突如現れたイレギュラーに、新しい可能性を
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