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妖精のサイヤ人
第十二話:助っ人登場!?意外過ぎる救世主!!
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全ての力を出し切った少年たちはなんとか強敵であるセイラに一矢を報いることができたことに安堵したのか、ラクサスとネロは震える膝に従いその場に座り込む。
身体から流れ出る汗は地面へと消えていき、荒い息を整えるように深呼吸をする。

「ふぅ…や、やったか…!」

「ようやく…姉さんを倒した…一人の力じゃないけど」

それぞれ己の感想を口にしてしまうのは、これが夢じゃない。
夢であれば悪夢だ。だから言葉にして密かに残っている不安を取り除こうと少年たちは会話を続けた。

「単独で…アイツに勝つのに何年かかると思ってんだよ…オレなら数年のうちに倒せるようになるけどな」

「おもしれえこと言うな…オレならあと1年の内に姉さんを倒せるようになるぜ」

「無理言ってねーか?若干声震えてんぞ」

「お互いにな…ハァ…ハァ…いっつつ…いってえ〜〜!」

「!?」

先ほどの戦闘で界王拳を習得したネロだったが、界王拳とは諸刃の剣とも言える強化技。
ネロの力を7にするとしたら、セイラは140。そしてネロは戦闘中に10倍で70、20倍で140でなんとか食らいついた。
しかし食らいつくにしても現在の力の限界以上を出すのに、身体が悲鳴を上げないはずがないのだ。
今のネロは初界王拳による無理に起こった全身に響く身体の悲鳴で頭がいっぱいになっていた。

「だ、大丈夫かお前!?そんなに…ひめいを…あげ…」

「―――」

痛みのあまりに悲鳴を上げるネロに最初はラクサスも慌てだし、駆け寄ろうと立ち上がったその勢いに…目の前でこちらに歩いてくる女が目に入ってしまった。

「油断、したつもりはありませんが…気持ち的にはあなた方に負けたのかもしれません」

――だからと言って、あなた方にそう敗北してしまうほどの差ではありませんが。

こんな場面じゃければこの綺麗な声音に誘われて穏やかに眠ることができたのだろう、と茜色の少年は考えた。 それほど慣れしたんだ、家族の声。
その声音はひどく穏やかなのだから、現実逃避なんてしてしまいたくなるのを必死に抑える。
少年たちは重い頭を震わせながらもなんとか上げて目の前へ近づいてくるセイラの足音に絶望しそうになる。

「まあ――ダメージは結構いただいたので、個人的に合格でもいいと思いますが…あと一歩のところでしょうか」

着物についた汚れを叩き落とした後にセイラは機嫌よさそうに少年たちへと近づいていく。
近づいてくるその足音は、もはや自分たちを迎えに来る死神なんじゃないかと錯覚しそうになる。
全ての力を出し切っても、目の前の女に決定的な攻撃になりえなかったことが、少年たちの中にあった自身たちの実力のがぽっきりと折れるのに十分だったの
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