暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第117話:大人は子供を助けるもの
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ガルドは物珍しそうに周囲を見渡している。

「ウィズ、俺達をここに連れてきてどうするつもりだ?」

 颯人が代表してウィズに問うと、彼は何も言わず3人に手招きをしながら移動した。3人がそれについて行くと、そこには3つの部屋があった。

「お前達にはこれから、自分の中のファントムと向き合ってもらう」
「ファントムと?」
「さっき天羽 奏にも言ったが、お前達3人のファントムは十分に熟した。ここからお前達は、そのファントムと向き合い力を引き出せるようにする必要がある」

 ウィズがそう言うと、何もしていないのに部屋の扉が開いた。

「この部屋にはそれぞれに合わせた魔法陣を組んである。そこに入れば、お前達は自分のファントムと正面から向き合いその力を一身に受ける事になる。その力を受け、乗り越えろ」

 そう言ってウィズは一歩下がった。雑な説明だったが、取り合えず部屋に入れば力が得られると3人は互いに頷き合ってそれぞれの部屋に入っていった。

 颯人が中央の部屋に入ると、背後で扉がバタンと閉められる。それと同時に足元に魔法陣が描かれ、颯人の目の前に彼の身の丈を大きく超える巨躯のドラゴンが姿を現した。

 宙に浮いたドラゴンがゆっくりと颯人に顔を近付けてくる。
 威圧する様に近付いてくるドラゴンに対し、颯人は挑発的な笑みを浮かべた。

「久しぶりだな。積もる話もあるだろうが、悪いが時間があまりないんでね。さっさと始めてくれ!」




***




 響の敗北と颯人達魔法使いの一時離脱から早1週間。プロジェクト・イグナイトは順調に推移していた。

 元々保管されていた聖遺物とシンフォギアに関する資料があったので、エルフナインも特に苦労することなく作業を進められていた。
 ただその作業に了子は携わっていない。理由は奏のギアの改修に手を回していたからだ。

 奏は止むを得ない理由からイグナイト・モジュールを搭載する事が出来ない。その代わりとなるものを搭載する為、現在アルドと共に奮闘しているとの事。

「……それにしても、シンフォギアの改修となれば秘密の中枢に触れる事になるのに……」

 この状況に、慎二は弦十郎に不安を零す。アルドにエルフナイン。この内アルドに対しては利害の一致などもありある程度信用できるが、未だ完全に信用しきれるものではないエルフナインに改修を一任する事に対して不安があるのは弦十郎も理解できる。

 しかし…………

「状況が状況だからな。それに、八紘兄貴の口利きもあった」
「八紘兄貴って、誰だ?」

 何気なく弦十郎の口から出た名前に、初めて聞くとクリスが首を傾げた。それに答えたのは奏だった。

「旦那の兄貴で、翼の親父さんだよ。だよな、翼?」
「ま、まぁ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ