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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
皿洗いと町開き
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しと商品を並べて、行き交う人々と交渉したり、他にも観光目的で来たプレイヤーが出店の食い物片手に数人で談笑しながら、大通りを闊歩している。

転移門近くの売店を覗き見していたクラインが二人に気づいて歩み寄ってくる。

「遅かったじゃねえかよ」
「一枚一枚丁寧に洗ってたんだよ」
「えっ、キリトも手伝ったのか?」

信じられない、みたいな顔をするクライン。

「失礼な奴だな。それくらい当然だろ」
「いやー、おめえが女らしいことしたのこれが初めてじゃね?」

本当に失礼な奴だ。

「クライン。今度は上に打ち上げてやろうか?」
「すいませんしたーっ!」

キリトが右足を蹴り上げるような体制になると、さきほどタンスにめり込んだ記憶のあるクラインはすぐさま勢いよく謝った。




クラインを謝らせたキリトが落ち着いたところで、3人は今後の予定を考える。
街開き初参加のキリトにはどうしたらいいのか分からないので、クラインとアスカの意見を尊重する。
アスカが「どこでもいい」と答えたので、2人の視線がクラインに移る。

「んなこと言われてもな・・・・。俺だって別にそう何度も来たことがあるわけじゃねえしよ・・・・」

クラインが頼りないことをぼやいている。

「人を無理矢理連れてきといて何だよそれは」
「うっ・・・・、まあ、いいじゃねえか。適当に歩いていたらいいだろ!」

形勢不利と判断したクラインは逃げるように先頭に立って歩き出す。
まあ、確かに祭りなので適当にぶらつくのも悪くないだろう、と考えを改め、キリトとアスカは後を追おうとして、あることに思い当たりぴたりと足を止める。
隣のアスカも静止してキリトの方を向く。

「どうした?」
「いや、この格好まずくないか・・・?」

言いながらキリトは自分の姿を見下ろす。
今のキリトは、外に出ると言われて部屋着のままのショートパンツに上はTシャツ一枚のシンプルな出で立ち。
別に部屋着で出てきたことが問題なのではない。
どこからどうみても女の子の格好であることが問題なのだ。
キリトの言わんとすることを理解したアスカ。

「あー・・・・、どうする?」
「うーん・・・・・流石に祭りの中をフードケープ被って渡り歩くのはなー」
「あの格好で彷徨いてたら、誰かに通報されるぞ」

もちろん、この世界に警察なんていないので、アスカの言ったことは冗談だが、周りから奇異の目で見られることは間違いない。

「諦めてその格好で行こう。逆に女の子っぽい服装で堂々としてたら、ばれることもないだろ」
「まあ、そうかもしれないけどさ・・・・」
「それに、俺も祭りを一緒に歩き回る奴が黒ずくめの変質者姿だと嫌だ」
「うぐっ・・・・」

それは同意見なので渋々
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