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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 
第一幕その三

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「内面が大事じゃない」
「そうなんだけれどね」
 先生はそれでもと笑って応えました。
「僕はどう見ても縁がないよ」
「だからそれが主観だよ」
「先生を嫌いな人はそうそういないよ」
「温厚な紳士だし」
「公平だし偏見もないし」
「絶対に感情的にならないしね」
「そこまでの人なら」 
 皆その先生の性格を指摘します。
「それならだよ」
「誰が先生を嫌いになるのか」
「嫌いになる人の方が珍しいわ」
「だったら恋愛だって」
「結婚だってね」
「そう、例えばね」 
 皆で先生に言いました、金婚式はここで一旦終わってもう一度かけました。そうしてそのうえで言いました。
「傍にもうね」
「誰かいないかな」
「先生の傍に」
「先生を想う人がもういる」
「そうかもね」
「物語みたいに」
「だったらいいね」 
 全く信じていない感じでした。
「本当に」
「だからそう言うことがね」
「先生のよくないところよ」
「すぐそうやって自己評価するから」
「それも低く」
「そうしたところがね」
「先生は問題なんだよ」
 皆で先生に言います、しかし。
 先生は笑って違うよと言うばかりでした、そのお話を先生のお家に来ていた王子が聞くと王子もやれやれといったお顔で言いました。
「だから先生は駄目なんだよ」
「駄目かな」
「駄目も駄目でね」
 それでというのです。
「全く進歩しないんだよ」
「恋愛のことでだね」
「人間五十歳でも結婚出来るし」 
 その年齢になってもというのです。
「そこから長生きしたら」
「百歳までかな」
「金婚式じゃない」
 こう言うのでした。
「もっとも先生まだ四十になってすぐだけれどね」
「五十にもいっていないね」
「まだ四十代になったばかりだから」
「まだまだこれからだよ」
「昔は四十って相当だったけれど」
「今じゃそんなにね」
「本気で金婚式夢じゃないし」
 先生の健康ならというのです、生きものの皆も言います。
「ダイアモンド婚式だってね」
「相手の人も長生きしたらだけれど」
「目指せるじゃないかな」
「はははい、そうだといいけれどね」
 ここでも笑って応える先生でした。
「僕もそうした人が出てくれれば」
「だからずっと言ってるでしょ、周り見てって」
「それもすぐ傍をってね」
「そうしたらわかるかもね」
「先生にも縁があるかもって」
「そうだってね」
「僕も皆と同じ考えだよ」 
 王子はまた言いました、そう言いつつ晩ご飯を待っています。
「先生歯もっと周りを見たらいいよ」
「王子もそう言うね」
「わかっているからね」
「わかっているんだ」
「だから言うんだ」
 今もそうしているというのです。
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