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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 
第一幕その二
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「本当に素晴らしいことだね」
「全くだね」
「六十年一緒に暮らせたら」
「それがどれだけ素晴らしいことか」
「考えるだけで凄いことよ」
「今も昔も滅多にないことだから」
 それ故にというのです。
「お祝いしないとね」
「全くだね」
「そんなご夫婦がおられたら」
「本当にね」
「まあ僕はね」
 ここで先生はこうも言いました。
「縁がないことだけれどね」
「またそう言うし」
「先生って本当に恋愛とか結婚についての自己評価低いわね」
「もう低過ぎて困るよ」
「僕達にしてもね」
「どうも長生きするらしいけれどね」
 このことにも言う先生でした。
「僕はね」
「だって先生今は健康だから」
「ストレスもなくて快適だし」
「毎日よく歩いてるしね」
「煙草もしないし」
「栄養バランスのいいお食事だし」
「お酒はよく飲んでるけれど」
 それでもというのです。
「よく寝てるし」
「健康そのものだよね」
「それじゃあ長生き出来るよ」
「どう考えてもね」
「健康診断でも問題ないしね」
「だから長生きは出来るよ」
 ダイアモンド婚式に至るまでに必要な要素の一つは達成出来るというのです、仲のいいことと長生きの二つで。
「それはね、けれどね」
「結婚はっていうんだね」
「出来ないっていうのね」
「どうしても」
「それは無理だっていうんだ」
「僕には絶対に縁がないからね」
 本当にというのです、先生だけは。
「それはないよ」
「果たしてそうかしら」
 ガブガブが言ってきました。
「先生だけが思ってることじゃないかしら」
「先生いつも僕達に言ってるじゃない」 
 ホワイティも先生に言います。
「主観と客観は違うって」
「自分が思っていても事実は違ったりする」
「世の中はそういうものだってね」 
 チープサイドの家族も考えています。
「本当にね」
「学問もそうだって」
「恋愛も学問だよね」 
 チーチーはまさにと指摘しました。
「文学でも普通に出るし」
「日本の文学なんて恋愛の宝庫じゃない」
 ポリネシアはこうまで言いました。
「万葉集の頃から」
「あの四季と恋愛の美しさを詠った和歌なんてね」
 老馬が見てもです。
「どれだけ素晴らしいか」
「先生万葉集も和歌も学んでるじゃない」
 ダブダブの口調ははっきりとしたものでした。
「そこでは誰もが恋愛を詠ってるじゃない」
「それじゃあ先生もね」
「恋愛を詠えてね」
 オシツオサレツは二つの頭で言いました。
「そして経験も出来る筈だよ」
「誰もがなら」
「どうして先生は自分に恋愛に無縁って言うか」
 トートーはその理由がわかっていました。
「ただ単に外見がどうかで運動神経がないからだよね」
「そんなの何で
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