第五百一話 コンサート会場でその七
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「当麻さんもそうですね」
「冗談抜きで何か憑いてねえか?」
「疫病神とか」
ノーマのロザリーとクリスも言う。
「二人共ね」
「半端な不幸の数じゃねえからな」
「確かにそうだな」
(本当に多過ぎるよな)
アインズは頷きつつ心の中で呟いた。
(俺達のうちで何人かはね)
「そこは気をつけた方がいい」
「お祓いした方がいいかも知れないわね」
盾無はかなり本気で思った。
「君達は」
「前向きに検討します」
当麻もかなり本気で答えた。
「さもないと何時死ぬかわからないんで」
「というか不幸な人ってとことん不幸なのはお約束?」
「そうよね」
「もうそうとしか思えないわね」
「全くグル」
ミザル、イワザル、キカザルにグルも続いた。
「観ていたらグル」
「もう尋常じゃないから」
「運が悪いにも程があって」
「観ていて驚く位だから」
「不幸ってのは誰かが集中的に受け持つものね」
順子もこう言った。
「きっとね」
「それが僕達ですか」
「ええ、多分ね」
順子は明久にも答えた。
「普通そこで悪運があるけれど」
「僕達には悪運がないんですね」
「多分ね」
「そう思うと一輝は悪運があるわね」
有栖院はこう思った。
「おそらくだけれど」
「黒鉄君は今はそうだよ」
天音の言葉である。
「周りにいい人達もいてくれてね」
「それでなのね」
「運もね」
こちらもというのだ。
「最後の最後で来るから」
「悪くないのね」
「最後の最後に来たらね」
その運がというのだ。
「決してだよ」
「運は悪くないわね」
「そうなるよ」
「そうなのね」
「というか運が悪い人はです」
クローディアの言葉である。
「すぐにいなくなります」
「それ言うと僕は」
「はい、最後の最後でほんの少しだけ運が来てくれてです」
明久に答えた。
「すんでのところで生きています」
「生きているんですね」
「明久君や当麻君は」
「そうですか」
「大抵の人はほんの少しだけではないですが」
来る運、それはというのだ。
「そうした人はです」
「いなくなりますか」
「すぐに死んで」
「最低限の運はありますから」
だからだというのだ。
「生きられます」
「そうですか、本当に運がなかったら」
「僕達もですか」
「死んでいます」
当麻と明久に話した。
「その時は」
「確かにな。だから私も生きている」
紅麗はクローディアのその言葉に頷いて述べた。
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