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東條希が大阪弁な理由
東條希が大阪弁な理由
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せやと思ってたのに……
すると秀介くんは衝撃の一言を放った。
 
 
「ごめんな〜希ちゃん。今までの、全部芝居やねん!!」
 
 
 
──────────────
 
 
 
「おっともうこんな時間か。じゃあね〜キモキモ大阪弁野郎〜」
 
 
自分、喜楽秀介はいじめられている。
キッカケは覚えていない。きっと些細な事だったと思う。うっかり肩をぶつけたとか話しかけられたのに気付かなかったとか。
ただ相手が悪かった。草野(くさの) 我楽(がらく)。クラスの柄が悪いグループのリーダー格で、よく人を小馬鹿にしたような振る舞いをするやつや。
元々自分の大阪弁が気に障ってたらしく、それ以来ずっと事あるごとに物を隠されたり壊されたりされている。機嫌が悪い時には殴られる事もあった。もちろん味方してくれる人なんておらんかった。
はぁ。もう学校行きたないなぁ。
親に心配かけられへんし行くけど。
 
そんなある日の帰り道。その日はなんとなく少し遠回りをして帰っていた。夕暮れ時の河原沿い。もうこんな時間か。そろそろ帰らなあかんな。そう思いつつ、ふと河原に目を向けた時だった。
同い年くらいのかわいい女の子を見つけた。
カメラと紙袋を持って歩いている二つ結びの女の子。
 
 
「写真、撮ってるん?」
 
 
つい話しかけてしまった。
相手も驚いている。いきなり知らない人に話しかけられたらそりゃあそうだろう。
自分もなんで話しかけてしまったのかわからない。かわいいだけの子なら街でたまに見かけるけど、今みたいに話しかけてしまうことはない。ただ、こんな時間にこんな場所に一人でいた目の前の彼女はなんだか寂しそうに見えた。そこに親近感を感じたからなのかもしれない。
 
自分も少し前まで写真を撮っていたためその話で仲良くなり、毎日いろんな場所を一緒に巡った。それらの日々は辛い事しかなかった自分の生活の中にできた唯一の楽しみだった。
 
 
そんなある日の学校。
帰りの会が終わり下校時間になった時だった。
 
 
「お〜い秀介くーーーんwww 最近学校終わった後楽しそうだよねww 何かあったの??」
 
 
草野にバレた。
仲間を引き連れこっちにやってくる。
 
 
「今日もこれからどこか行くんでしょ? 教えてよwww」
「なんでもない」
「そんなわけある? 一目でわかるんだけどw 隠せてると思ってるのw? なんかあったんだよね?? 言えよ」
「絶対言わへん!!!」
「はー面白くないなぁ……痛い目見ないとわかんねぇのかオラァ!!!!」
 
 
突然草野に顔面を殴られる。衝撃で倒れ足を擦り剥いた。ジンジンとした痛みが襲ってくる。最悪だ。
 
 
「なぁ、教えてよ秀介くん。教えてくれない
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