東條希が大阪弁な理由
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てん。ま、コツがあるんやけどな? あんな……」
「へー! これをこうして……本当だ!! あ、こっちの写真も……」
そんな感じで私たち2人はあっという間に意気投合し、写真トークを続けた。
それから私たちは毎日ここで集まって一緒に写真を撮りに行くようになった。気がつけば友達を作らないなんて信条は忘れていた。
そんなある日、私はある事を思いついた。
「秀介くん秀介くん!!」
「どした?」
「コホン、えー、ワイは東條希や!! ……どう?」
「???」
「だから……いや違う。えーと……あ! せやから、ワイは東條希や!!!」
「……あぁ! 大阪弁か! いいやん似合ってるで!」
「やった!」
「あーでも希ちゃんは女の子やからワイやなくてウチやな」
「あそっか! ということはつまり、ウチは東條希や!!」
「そうそう! なかなかやるなぁ!」
「えへへ……」
本物の大阪弁使いに褒めてもらえて少し嬉しくなる。でもやっぱいきなり使いこなすのは難しいのかも。
「でもどしたんいきなり」
「あのね、秀介くんって大阪弁でしょ? それでなんか毎日聞いてるとなんていうんだろ、なんか……暖かい感じ? がしてさ、好きだなぁって」
「えっ!?」
「あっ違うよ! 大阪弁の話!」
「だ、だよな! ゴメン続けて?」
「うん、だからなんか身につけてみたくなっちゃって。それに私も……ううん、ウチも大阪弁になったら秀介くんとお揃いになるやん? そういうのもアリかなって!」
「お……ぉぅ……」
珍しく照れてるみたい。そんな反応されるとウチまで恥ずかしくなってまうやん。ちょっとの間沈黙が続く。
「自分、実は今までそんな大阪弁好きやなかったんや。なんとなく分かってると思うけど、自分結構前に大阪から引っ越して来てん。でまぁ当たり前やけど、大阪弁使う奴なんかこの辺でワイだけやし、学校でも結構浮いててな……けど希ちゃんにそう言って貰えるとちょっと好きになれる気がするわ。……おおきにな!!」
そう言って彼は満面の笑みを見せてくれた。
その表情に胸がときめく。ウチはこの数日の間に秀介くんの事が好きになってしまったんや。
それから数日して、ウチは告白する事にした。恋人になれたら引っ越しても縁が続くと思ったからや。世間には遠距離恋愛ってのもあるらしいしな? そのためには早いうちにカップル成立させて連絡先とかゲットせんとな!
そう考えながらいつもの河原に向かうけどアカンこれめっちゃ緊張するわもし断られたらどうしよう今の関係が崩れたらどうしようそもそもウチ秀介くんにどう思われてんやろと考えれば考えるほどどうしようもなくなってくる。
そうこうしているうちに待ち
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