矢澤にこが結婚してしまう話
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それをお姉さまに使おうとしてたんでしょう!!」
「嘘……でしょ??なに考えてんの!?」
「………」
バレた。もうダメだ。にこねぇちゃんにバラされて僕は嫌われてしまうんだ。
その時。
「どうしたのこんな夜中に」
「ね、ねぇちゃん!?」
扉が開いた。にこねぇちゃんだ。
おかしい。睡眠薬を飲ませたはずなのに……効き目が弱かったのか? とにかく本人まで出てきたんだ。もうおしまいだ。しかし次に出てきた言葉は予想外のものだった。
「姉さん聞いてよ! 結婚パーティー用にヘリウムガスを用意するように虎太郎に頼んでたら見てよこれ!」
????
一体何を言っているんだここあねぇちゃんは。予想外の展開になにも喋ることができない。
「こ、こらここあ! その辺りの事はサプライズなんですよ!?」
「うぁしまった!!」
しかもこころねぇちゃんまで口を合わせている。何が起きているんだ?
「あっはははは! あんた達……もう、サプライズならバレないように準備しなさいよもう」
にこねぇちゃんが笑う。そして優しい顔で
「でもありがと。当日楽しみにしてるわ。早く寝るのよ〜」
と言い、部屋に戻っていった。
「……今のは……??」
瞬間。2人が耳元に近づいてくる。
「勘違いしないで。別にあんたを庇ったわけじゃない」
「そうです。私達はお姉さまの笑顔を守っただけです。虎太郎がお姉さまを殺そうとしてたなんて知られた時のことを想像してみなさい! きっと深く傷つくことでしょう」
「次もし繰り返すような事があれば……わかるよね?」
「何をしようとしても私達が止めてみせますから。ではまた明日。虎太郎」
そう言って2人は去っていった。
計画に完全に失敗した僕は失意の底に突き落とされた。
次の日、女優転向と結婚の宣言が正式に出た。
しかもあれからにこねぇちゃんがいる間はこころとここあにびっしり監視されるようになった。
もう僕にはどうしたら良いのかわからない。ねぇちゃんの笑顔を崩さずに結婚を止める方法がわからない。
ねぇちゃんが他の誰かのものになってしまうなんて耐えられない。もうだめだ。
死のう。
その日は学校を早退した。別にもう学校なんて意味ないんだ。僕は今日終わるんだから。
家に着き自室に入る。ヘリウムガスの自殺セットが目に入る。せっかく作ったんだしこれで死のう。苦しくないらしいし。
早速袋を被りゴムで隙間をなくす。
そしてガスの元栓を開けた。
あーこれ結構時間かかるんだな…
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