矢澤にこが結婚するおはなし
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。
「虎太郎!!!!!」
あまりに異様なその光景に思わず駆け出す。
急いでその袋を外し虎太郎を揺さぶる。
「にこ……ねぇ……ちゃん……??」
「虎太郎!! 何があったの!!?? なんでこんな事してるの!! 馬鹿!!! 生きてて良かった……!!」ポロポロ
「ねぇちゃん……う……うぅ……!!」ポロポロ
2人で抱き合いながら涙を流す。
ある程度たって虎太郎が話し始めた。
「にこねぇちゃんがアイドル辞めるって言ってさ……結婚するって言うじゃん……」
「うん……」
「でも誰も僕の気持ちわかってくれなくてさ……それどころか脅されて………もう……こんな思いするならって……」
「そう……」
きっと今回の結婚騒動で学校の人達に虐められたのね……可哀想に……
「ごめんね虎太郎……私のせいで……」
「…………」
「でもね、正直言わせてもらうと他人が何よ! 人の幸せを喜べないようなやつなんてロクな人間じゃないわ!! 虎太郎は虎太郎よ、虎太郎のやりたいようにやりなさい!! むしろそんな奴らにはやり返してやりなさい!!! 誰かの為に自分だけ死ぬなんてそんなのおかしいんだから!!」
「ねぇちゃん……!!」
目と目を合わせ強く伝える。どうやら凄く感動しているみたい。
「ありがとう、もう大丈夫だよ……僕、立ち向かってみるよ!!!!」
「もし次何かあったら私に任せなさい! 別に全てを1人で溜め込むことないんだから」
「うん! ありがとう!」
そう言って笑顔をむける虎太郎を見て少し安心する。どうにかなって良かった……
──────────────
「それじゃあ次帰ってくるのは多分結婚式前日になるから、またね」
「はい、いってらっしゃいませお姉さま」
「またな! 姉さん!!」
「にこねぇちゃん気をつけてね!」
あれから虎太郎は何もなかったかのようにいつもの状態に戻った。私に何も頼む事も無かった。きっとあの件も解決できたのだろう。よかったよかった。
そして式前日。
「姉さん明日から彼氏のものになっちゃうんだね……うぇぇぇぇん」
「ここあ! お姉さまが困ってしまうでしょう! 辞めなさい!」
「だって……だって……!!」
「もう……」
「やれやれ……にこねぇちゃん、明日朝早いんだし今日はもうお開きにしようよ」
「ふぁ……それもそうね……なんだかもう眠たいしね」
「こころねぇちゃんもここあねぇちゃんも、明日準備早いし寝るよー」
「……まぁそうですね。じゃあ早いですが今日はここまでで。おやすみなさい」
「おやすみー」
「……おや……すみ……
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