矢澤にこが結婚するおはなし
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ると今は夜中の1時らしい。こんな時間に何を話してるのかしら。
話し声は廊下からしているみたい。
「どうしたのこんな夜中に」
扉を開ける。そこにはこころここあ虎太郎3人共が集まっていた。
「ね、ねぇちゃん!?」
「お姉さま!? えっとこれは」
「姉さん聞いてよ! 結婚パーティー用にヘリウムガスを用意するように虎太郎に頼んでたら見てよこれ!」
そういってここあは虎太郎の近くの床に置いてあった大きいガスボンベを指差した。
「ガチすぎるでしょ!こんなサイズの買ってこられても困るよって」
「こ、こらここあ! その辺りの事はサプライズなんですよ!?」
「うぁしまった!!」
「あっはははは! あんた達……もう、サプライズならバレないように準備しなさいよもう」
ここあったらうっかり話しちゃって……
でもこんな夜中まで話し合ってくれてるなんて……いい妹達を持ったものね私。
「でもありがと。当日楽しみにしてるわ。早く寝るのよ〜」
そう言って自分の寝室に戻る。
みんなが私の幸せを祝ってくれている。その事に心躍らせながら私は改めて眠りについた。
──────────────
次の日、私は会見でこれからの事を話した。
結果は賛否両論だった。
ネットは『これからも応援するよ! 結婚もおめでとう!』という肯定派と、『結婚するからアイドル辞めるんだろ。失望したよ』という否定派に分かれ、対立が起きてしまった。
「世の中いい人ばかりじゃないのよね……」
まぁよくよく考えればこうなる可能性もあるということは分かってた。だからこうならないように原稿もしっかり考えた。妹達も祝ってくれてたしファンのみんなも祝ってくれると信じていたのに。
それから数日。色んな場所に引っ張り回されたけど一旦自由になった。
「今日は随分早く終わったわね……」
時計を見ると昼3時だった。家に帰ってサプライズでまた晩ご飯作ってあげようかしら。前回みんな大喜びだったしね。
ガチャ
「ただいまーってあれ?」
まだ学校中のはずなのに玄関に靴が置いてあった。虎太郎のだ。
「虎太郎ー? いるのー?」
返事はない。
おかしいわね。
虎太郎の部屋の前に立ちノックする。
「おーい、入るわよー」
ガチャ
中に入るとそこには……
「なに……これ……」
先日見たヘリウムガスタンクが繋がれた袋を頭に被った虎太郎が横になっていた
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