矢澤にこが結婚するおはなし
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があるの」
「「「もう一つ?」」」
「そう、もう一つ。というかいつまで玄関で立ち話させるつもり? とりあえず入るわよ!」
「「「ご、ごめんなさい!」」」
「……で、そのもう一つの理由っていうのは?」
晩ご飯を目の前に話の続きを振られる。これは絶対騒がしいことになると予想する。覚悟を決めて……言うわよ。
「実は私、結婚する事にしたの」
「え」
「「えぇー!!??」」
「姉さんそれ本当!? 相手は!? どんな人!?」
「凄く興味があります!! 教えてください!!」
案の定ね。2人に詰め寄られる。やっぱり全部説明することになるんでしょうね。時間かかりそうだなー。
それからこうなるまでの経緯を全て話した。そしてこれからの事……公式発表は明後日、式はそれから2週間後という事、今までよりここに帰る頻度が落ちる事などなど……
「姉さんが今までより帰ってこれなくなるのは悲しいけど……そういう相手ができたのはめでたく思うよ。なぁ虎太郎!」
「う……うん」
「では今夜は女優転向記念兼、結婚前祝という事で盛り上がりましょう!!」
「イエーーー!!」
「みんな……」
やっぱり誰かに応援してもらえる、祝ってもらえるって幸せな事ね……
──────────────
次の日。今日はオフよ。登校する3人を見送る。
「まぁオフと言ってもやる事はあるんだけどね〜」
そう、女優転向と結婚の公式発表用原稿を考えないといけないのだ。
「どんなのにしようかしらねぇ……」
紙とペンを出し案を書き始める。
この度、私矢澤にこはアイドルを引退し、女優に転向する事を……少し硬いわね。
わたし、矢澤にこ! アイドルやってたんだけどもう歳も歳だから女優に移ることに……ちょっと軽すぎるかしら。
うーん……じゃあ──
「よし、できた!」
気がつくともう夕方になっていた。時間はかかったけどなるべく角の立たないよう丁寧に、かつ私らしさのある良い原稿が書けたと思う。あとはこれを覚えて明日会場で言うだけ、と。
さて、そろそろみんな帰ってくる頃だろうし、久しぶりにお姉ちゃんが晩ご飯でも作っておいてあげようかしら!
──────────────
「………う……………ょ……!」
「………ょ…?………ん……!?」
「んん……?」
話し声で目を覚ます。あれ? 私寝てた? 確か私の作った晩ご飯をみんなで食べて、その後原稿の暗記をして……どうやら途中で寝落ちしてしまったらしい。危ない危ない。時計を見
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