南ことりと白瀬楽人
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楽人くん!!!」
意識が朦朧としているらしく呼びかけても反応がない。救急の人たちも駆け寄ってくる。嫌。このまま死んじゃうなんて、いやだよ。楽人くんの手を両手で握る。お願い神様。楽人くんを助けて。
涙が楽人くんの手に落ちる。
「…………こ…………ゃ…………」
「楽人くん!?」
楽人くんが僅かに喋った。顔を近づける。
「ことり……ちゃん…………最後に君の……ため……助ける事が……できて……よかっ……た…………」
「ら……楽人……く……」
違うよ。助けられてばっかりなのは私だよ。そう言いたいけど上手く言葉に出ない。
そんな私の顔を見て僅かな笑みを見せる楽人くん。
そして握りしめていた楽人くんの手から力が抜けた。
「そ、そんな……まってよ楽人くん……」
まだ何のお返しもできてないよ。助けてもらったお礼すらもできてないんだよ? いかないでよ。お願い。
「あ……あぁ………」
でも楽人くんはもう、何の反応もしない。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
私の叫びは夜の闇に吸い込まれていった。
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