暁 〜小説投稿サイト〜
××のした人生最大の失敗
終わり
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の余韻に浸っているようだ。
 
あれから。僕は大学を辞め、学費になる予定だったお金を崩して仕入れた薬を全てことりちゃんの為に使っている。ことりちゃんには辛くなったらいつでも来るように言ってあり、それで今日も朝から来てくれている。
 
しばらくして落ち着いたらしくことりちゃんが起き上がる。
 
 
「……ごめんなさい、楽人くん……」
「いいんだよ」
「私がこんな事になってなければ大学も辞めなくて良かったのに……」
「大丈夫、こうしてことりちゃんと一緒に居られるだけで僕は十分だよ」
「楽人くん……」
 
 
ことりちゃんと見つめ合う。あぁ可愛いなぁ。
 
 
「……ことりちゃん」
「……何?」
「実は……昔から僕は……その、君のことが好きだったんだ」
「…………えっ?」
「こんな事になっちゃったけど……伝えておきたくて……」
 
 
つい言ってしまった。まぁ学費も要らなくなったし薬の事を隠す必要もなくなったし、妥当なタイミングではあった。反応を伺う。
 
 
「………………」ポロポロ
「こ、ことりちゃん!?」
 
 
ことりちゃんが目から涙を流していた。突然の事に取り乱す。
 
 
「どうしたの!? もしかして何かしちゃった!?」
「ううん、私、妹のようにしか思われてないと思ってたから……嬉しくて……。私も楽人くんのこと……好きだよ……」
「ことりちゃん……」
 
 
幸せだ。これが両想いってやつなのか。嬉しすぎる。これからもずっと面倒をみよう。ずっと一緒にいよう。
2人で抱き合う。顔が近い。
 
 
「楽人くん……」
「ことりちゃん……」
 
 
どちらからともなく互いに口を近づける。
 
口と口が触れ合うか触れ合わないかの瞬間。
 
 
「動くな!!! 警察だ!!!」
 
 
いきなりそれなりの人数が家に入ってきた。
思わず立ち上がる。
 
 
「白瀬楽人。麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕する」
 
 
この生活を続ける限りいつかは来るかもなとは薄々思っていた。けど、今か。
ふと、ことりちゃんの方を見る。いつの間にか穂乃果ちゃんと海未ちゃんが居た。怯えるような、蔑むような顔をしてこっちを見ている。そうか。通報したのはこの2人か。きっと窓の隙間かどこかから見たのだろう。
 
 
「待って!! 違うの!! 楽人くんは!! 離して!! 楽人くん!! 楽人くん!!!!」
 
 
「ごめんね、ことりちゃん」
 
 
両手に手錠がかけられる。
 
 
「楽人くん……私たち……信じてたのに……」
 
 
あぁ、そうだ。僕は言い訳をしていただけだ。ことりちゃんを助ける為と言いながら弱っているところにつけこんで、僕なし
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