最悪の出会い
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ったわけじゃない。落ち着け僕。大丈夫。違うという事を証明しないと。
「……前からこの子、気になってたんですよ。次遊ぶ時、僕も混ぜてくれませんか?」
「わかりました。じゃあ明日午前8時50分に原宿駅に来てください。いやはや、知り合いが出てきた瞬間、どんな顔するか楽しみだなぁ……ふふ」
大丈夫、別人だ。ちょっと覗いて適当なところで用事とか言ってさっさと帰ろう。僕の好きなあのことりちゃんがそんな事になっている訳がない。
────────
今は何時? スマホを確認する。7時。メッセージが来ている。穂乃果ちゃんだ。心配の言葉。苦しい。「酷いよ無視するなんて」「最低です」聞こえるはずのない声が聞こえる。手の震えが止まらない。もうだめ。今日の約束は9時からだけど我慢できない。もう行こう。おぼつかない足取りで玄関に向かう。
ピンポーン
インターホンが鳴る。きっと楽人くんだろう。足を止める。そういえば最近楽人くんにも返事してないなぁ。でもできない。今返事を書くと変な事を書いてしまいそうで。ごめんなさい。こんな今の私、楽人くんには見せられないよ。せめて楽人くんの中では綺麗なままの私でいさせて……
少しして玄関前から人の気がしなくなった。覗き穴から楽人くんがいない事を確認する。知り合いに見つからないよう人通りの少ない道を行く。
ようやくいつもの部屋の前にたどり着く。正直もう限界に近い。今にも倒れそうだ。インターホンを鳴らす。出ない。どうして。時間を確認。7時50分。そんな。早すぎてまだ誰も来てないんだ。一体どうしたら。その時視界の隅にガラス片が落ちているのに気がつく。なんとなく拾う。痛っ。あれ? 一瞬不安感がやわらぐ。もう一回。あ、これ、もしかして……。手首にガラス片を押し当てる。赤い血がたれてくる。
「あーすげぇ早く着いちゃったなぁってことりちゃん!? 何してんのオイやめろ!」
薄金髪の方の人が来て私を取り押さえる。
「お、おねが、お願いします……注射……早く……」
どうしようもなさすぎて涙が溢れてくる。
「あー、薬はな、カズが来る9時になるまでないよ」
「そ、そんなぁ……」
「と、とりあえず時間まで待とうか」
そして私たちは部屋に入り、9時になるのを待ちました。もう耐えられません。早く来てカズさん。早く。早く。
しばらくして玄関の鍵が開く音がした。やっときた。立ち上がり玄関に向かう。
「カズさん……注射、はやく……!!」
「うわことりちゃん!? まぁ待てよ。今日はことりちゃんの為にスペシャルゲストを呼んであげたんだよ」
ゲスト? そんなことより注射
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