仕事の話、悲劇の始まり
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血の気が引く。気分が悪い。家に駆け込む。
「ことり? 遅いじゃない! 心配したのよ?」
「ご、ごめんお母さん……。今日の約束は無かったことにして……」
「え? ちょっとことり? 待ちなさいことり!」
お母さんの言葉を無視して自室に飛び込む。
あぁ、どうしてこんなことになっちゃったんだろう。考えるまでもない。親との約束を蔑ろにして知らない人について行ってしまったからだ。高校生になったからって調子に乗ってしまったからだ。どうしよう。自分の選択を悔やむ。誰か……誰か助けて……
それから毎日あの人たちに呼ばれて、注射を打たれて色々な事をしました。録画された映像を見せられたりもしました。こんな姿、誰にも見せられません。せめてみんなの前ではいつも通り元気でいよう。
────────
水曜日、朝、待ち合わせ場所。
今日も頑張っていつも通りを装いながら楽人くんと海未ちゃんとで話しながら穂乃果ちゃんを待つ。みんなと一緒に笑い合うこの時間だけは嫌な事を忘れられる。もしこの時間が無くなってしまったら……いや。やめよう。最近なぜか暗い事ばかり考えてしまうようになってしまった。いけないいけない。今は楽しい時間なんだ。気付かれないようにしないと。
………………
あれ? いつの間にか話が終わってる。話題が尽きたのかな。なにか話さないと。
「そういえばこの間服を買いに行ったんだけど、凄いかわいいのがあって……」
「……ことりちゃん、大丈夫?」
「……ふぇ?」
「いや、最近なんか無理してない? 週明けくらいから元気が無いように見えてさ」
「そうですよことり。いつも一緒にいるんです。隠そうとしていても分かりますよ」
よく見ると2人とも心配そうな顔をしていた。そんな。いつも通りに振る舞っていたつもりだったのに、全て筒抜けだったの? 猛烈な不安に襲われる。
「そ、そんな事な
「ことりちゃん!!! おっは「ひぃぃ!!!」よ……あれ?」
気がつくとしゃがみこんで丸まっていた。あれ? なんで? どうしてこんなに怯えてしまってるんだろう。周りの人がこっちを見ている。3人が心配そうな目で私を見つめてくる。やめて。何か話しかけてきてる。よくわからない。とりあえず謝らないと。
「あ……ご、ごめん……穂乃果ちゃん……な、なんでもないの。少し、驚いちゃった……」
「少しっていうか……」
穂乃果ちゃんたちが何か言おうとしている。やめて。聞かないで。言えないよ私があんな事になってるなんて。
「あの」
「ご、ごめん! 穂乃果ちゃん海未ちゃん楽人くん! 私先に行ってるね!」
「こ
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