仕事の話、悲劇の始まり
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寝ちゃってたみたいで……。早く帰らないとお母さんが心配しちゃうので失礼します!」
そう言ってカッコいい人の横をすり抜けて
「まぁまぁまぁ、ちょっと待ってよ」
扉から薄金髪の男の人が入ってきてぶつかる。
「はじめまして〜。帰るなんて寂しい事言わずにさぁ、一緒に遊ぼうよ〜」
「す、すみません! この人は……?」
「彼は僕の友達だよ。『今から女の子と遊ぶんだけど来る?』って言ったら『行くぜ!!』って」
え?なんで知らない人まで呼ぶの?なんだかこのままだとやばい気がする。急いで帰らないと。
「ごめんなさい! 本当に、あの、用事があるので!」
「まぁまぁ、そんな事言わずに」
「でも!!」
「うーん、ねぇカズ。一旦大人しくさせた方がいいんじゃない? ほら、昨日凄いの仕入れたって言ってたよね」
「そうだな……。よし、じゃあ試してみようか」
大人しくさせる?耳を疑う。本当にまずい気がしてきた。逃げないと。
「帰ります!! 通してください!!」
「ちょちょちょっと! うわわ暴れるなって! カズ! 早くやって!!」
「やめて!! 離して!!」
「よし。こっちは準備できたよ。しっかり抑えといて」
「よっしゃ!」
後から来た薄金髪の人に床に組み敷かれる。動けない。カッコいい人……カズと呼ばれているその人はいつの間にか注射器を手にしていた。嫌だ。怖い。やめて。助けて。誰か。穂乃果ちゃん。海未ちゃん。お母さん。
楽人くん。
腕にチクッとした痛みが走る。
なにかが注入される感触がす
瞬間。
今までに味わった事のない感覚が全身を駆け巡る。
「あ……ッ…………カッ…………」
全身の力が抜ける。
きもちいい。
今までの全ての事がどうでも良くなってしまうほどの快感が止めどなく押し寄せてくる。
動く気も湧いてこない。
身体を触られている気もするけど、それももはやどうでもいい。
そこから先の事はあまり覚えていません。ただ、何か大切なものを失ったような、そんな気はします。
気がつくと家の近くまで帰って来ていました。あ、そうだ。晩ご飯の約束。遅くなってしまったし謝らないといけないな。スマホで時間を確認する。知らない人からメッセージが来てる。
『今日は楽しかったね。アレ、気持ちよかったでしょ? ことりちゃん凄かったもんね。明日も今日のとこ来てよ。また色々してあげるからさ。
p.s. 今日の事は全て録画してあります。明日来なかったり、誰かにこの事を言ったらわかるよね?』
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