過去編 ウルトラルプス&リキシファイト
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た。
「あっ……あれは!」
「ジェムがもう1人!? もう、何がどうなってんだよっ!?」
両手を広げて闇夜の空を翔ぶ「本物」のジェム。その勇姿を見上げる人々は、動揺の声を上げていた。一方、真打の登場を目の当たりにした弘原海は、「やっと来やがったな」とほくそ笑んでいる。
『タァァーッ!』
そのまま「偽物」の眼前に降り立ったジェムは、息つく暇もなく「お礼」代わりの頭突きを見舞っていた。脳を揺さぶられた弾みで両手の力が抜けた瞬間を狙い、ジェムは素早く偽物の手から琴乃の身柄を奪還する。
「た、隊長っ……!」
「駒門、よく無事だったな! ……磨貴の奴ぅ、一体どこをほっつき歩いていやがったんだ! 心配掛けさせやがって!」
彼の「眼」からその意図を察した弘原海は、ジェムの手から降ろされた琴乃の肢体を素早く抱き留める。その逞しい胸板にLカップの爆乳がむにゅりと押し潰され、琴乃は思わず頬を染めていた。
だが、当の弘原海は琴乃の爆乳が当たっている感覚など気にも留めず、ようやく姿を現した「本物」の勇姿に破顔している。その相変わらずな朴念仁ぶりには、さしもの女傑もため息をつくばかりであった。
『タァアァッ!』
一方、琴乃の安全を確保したジェムは偽物と組み合うと、素早く渾身のチョップを顔面に炸裂させていた。
『ダ、ァアッ……!』
だが、これまでの所業への怒りに燃えるあまり、チョップの打ち方を誤ってしまったらしい。自らの手を痛めたジェムは低い呻き声を漏らしながら、手をひらひらと振っている。
一方、ジェムのチョップを喰らって激しく転倒していた偽物は、とうとうその「擬態」を解除されてしまった。巨大化していたザラブ星人という「正体」が、ついに暴露されたのである。
「やはりザラブ星人の仕業だったのか……!」
「過去の戦闘データの通りでしたね、隊長!」
琴乃の熟れた女体を抱き留めている弘原海は、剣呑な表情で彼女と深く頷き合っていた。やがてBURKガンを引き抜いた2人は、倒れたザラブ星人への銃撃を開始する。
だが、正体を暴かれたザラブ星人はジェムやBURKの攻撃から逃れようと、素早くその場から飛び去ってしまった。それでもジェムは逃すまいと地を蹴り、両手を広げて夜空へと飛び立って行く。
『この期に及んで1人だけ逃げようなんて……虫が良すぎるぜ、ザラブ星人ッ!』
絶対に逃しはしない。その信念を胸に、ジェムは両腕を大きく開くと、必殺光線を放つべく腕を十字に組む。
『ジェムナイトッ……光線ッ!』
両手の宝石を輝かせて放たれた、その光波熱線は夜空に一条の閃光を描き――ザラブ星人の背を、瞬く間に貫いたのだった。
「き……決まったぁ! ジェムの勝利だぁあ!」
「隊長、やりました
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