過去編 ウルトラルプス&リキシファイト
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「ええいッ、まさか別次元の宇宙を警護していたウルトラマンまで来るとはッ……! ここまで来て、今さら手ぶらで引き下がれるかッ!」
「君達の出る幕などないッ! ここで死ねぇえーッ!」
予期せぬ増援に狼狽しながらも、2人のザラブ星人は両手の指先から光弾を連発して、ルプス達を排除しようとする。だが、宇宙警備隊の正規隊員として実績を積んできた彼らに、そんな小手先の攻撃は通用しない。
両手を腰に当て、雄々しく大胸筋を張ったルプスとリキシは、その胸板だけで光弾を防ぎ切ってしまうのだった。あまりに大きな力の差を見せ付けられたザラブ星人達は、思わず後ずさってしまう。
「……おいおい、線香花火にしたってちょっとしょぼ過ぎやしねぇか? それで攻撃のつもりかよ」
「その程度の光弾で我々を排除しようとは、宇宙警備隊も舐められたものだな」
「く、うぅッ! き、君達、そこから一歩も動くなッ! 君達の大切な同胞がどうなってもッ――!?」
それでも勝負を諦め切れずにいたザラブ星人達は、磨貴を人質に降伏を迫ろうとする。だが、その脅迫を言い終える暇もなく――2人のザラブ星人は、命を刈り取られていた。
「……生憎だが、それで躊躇って隙を見せるような宇宙警備隊じゃあねぇんだよ」
「お前達の光弾より、我々の光線の方が遥かに疾い。その時点で、人質作戦などすでに破綻しているのだ」
エネルギーを両手に凝縮し、爪状の光線で敵を切り裂く、ウルトラマンルプスの「ルプスネイル」。
利き手にエネルギーを集束させ、突っ張りの挙動で相手に光線を照射する、ウルトラマンリキシの「張り手光線」。
2人のウルトラ戦士が繰り出したその必殺技は、人質作戦に出る隙すら与えぬまま、ザラブ星人達を跡形もなく消し飛ばしてしまったのである。
「さぁ……俺達の仕事はここまでだ。なにせ俺達は本来、この次元の地球に居るべき存在ではないんだからな」
「お前が守るべきものは、お前自身の手で守り抜け。私もルプス教官も、お前ならば必ずそれが出来ると信じている」
「……はい!」
そのまま磨貴の拘束を解いた2人は、ザラブ星人に奪われていたコネクトリングとリリースジェムを彼に差し出す。それはさながら、「後は任せた」というバトンタッチのようであった。
そんな師匠達の信頼に応えるべく、磨貴は2人が見守る中――コネクトリングを左手の中指に嵌め、その台座にリリースジェムを装填する。そしてリングを嵌めた左の拳を、勢いよく天に突き上げるのだった。
「ジェムゥゥウッ!」
リリースジェムを中心に広がって行く巨大な光が、磨貴を飲み込み――銀色の巨人が下から顕現して行く。
拳を突き上げ、「ぐんぐん」と現れたウルトラマンジェムが夜空に飛び立ったのは、それから間もなくのことであっ
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