過去編 ウルトラルプス&リキシファイト
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それで終わりではなかったのである。
「ぐぁああッ!?」
「駒門ッ!? や、野郎ぉおッ!」
パラシュートで降下していた2人に目を付けていたジェムは、その巨大な手で琴乃の身体を掴み取ったのだ。ジェムの手に握られた琴乃の背中からパラシュートが切り離されてしまい、彼女は囚われの身となってしまう。
「クソッ、クソッたれがぁあッ! 俺の部下を離しやがれぇえッ!」
「た、隊長ッ……! 早く、早く逃げてくださいッ……!」
残された弘原海は無防備な降下中であることも厭わず、琴乃を救うべく腰のホルスターからBURKガンを引き抜き、ジェム目掛けて連射するのだが――ミサイルすらろくに通用しない相手に、光線銃が効くはずもく。ジェムはBURKガンの光線を全く意に介さず、自分の眼にミサイルを撃ち込んだ琴乃にのみ注目していた。
その勇敢さと美貌に心惹かれるものがあったのか、彼は自分の手の中にあるLカップの爆乳と怜悧な美貌を交互に見遣っている。
「ち、ちくしょうッ……! 磨貴の奴、こんな時にどこで油売ってんだッ……!?」
一方、注意を引き付けることも出来ないまま地上に降り立った弘原海は、悔しげに唇を噛み締めている。忌々しげにジェムを見上げる彼の脳裏には、無鉄砲な不良少年の姿が過ぎっていた――。
◇
――その頃、ジェムが暴れ回っている現場の近くにひっそりと建っている廃ビルの一室には。椅子に縛り付けられている、荒石磨貴の姿があった。
剣呑な表情を浮かべ、窓から街の惨状を見つめている彼の両脇には――人間と同じ体格で活動している2人の「凶悪宇宙人」の姿がある。その宇宙人達は勝ち誇ったような笑みを零し、椅子に縛られた磨貴を冷酷に見下ろしていた。
「てめぇらッ……! こんな真似して、タダで済むと思うなよッ……! 俺達を無礼てんじゃあねぇッ……!」
「ふっ……いいように囚われている分際で、偉そうな口を叩くなウルトラマンジェム。こうなってしまっては、いかに君といえども多勢に無勢……というものだろう?」
「慌てずとも、君はそこでゆっくりとBURKの壊滅と……ウルトラマン神話の崩壊を見届けるが良い。地球人類に対する生殺与奪の権利は、我々ザラブ星人のものだ」
「……だが、BURKの隊員諸君もなかなかにやるようだ。そう来なくては、我々がわざわざこの星に来た『甲斐』がないというものだよ」
「なに……!?」
磨貴の威勢を嘲笑う2人の宇宙人――ザラブ星人は、ウルトラマンジェムに化けて破壊活動を実行している「同胞」の姿を見遣り、自分達の勝利を確信していた。
その一方で、躊躇なくミサイルを撃ち込んでいたBURKの戦闘機に対しては思うところがあるのか、感心したような声を漏らしてもいる。そんな彼らの言葉に、磨
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