表と裏と
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<ロマリア>
「その通り…リュカの言う通り、私達は互いの種族を快く思っていない…」
エルフの女王はリュカに話の続きをさせたいらしく、食い入る様に見つめ続ける。
其処へ…
「お待たせしました!リュカ殿ご要望のピザでございます!」
この会議室にラングストンがピザを持って入ってきた。
「あ、後にせんか!」
「何を言われます陛下!?リュカ殿が望んだ物ですぞ!急がねば、機嫌を損ねて帰ってしまうやもしれません!」
そう言いながらラングストンはリュカの前にピザを置く。
「……………何…これ?」
「はい!リュカ殿ご要望の『シーフードピザ、魚介類抜き』でございます!」
リュカの目の前に置かれたのは、ピザ生地の上にトマトソースとチーズだけを乗せ焼き上げた、丸い具のないピザらしき物体だ。
「お前…具は?」
「シーフードピザですから!魚介類以外の具はございません!ご所望通りでしょ」
ラングストンはリュカに満面の笑みで答える。
「お前…ムカつくね!…ロマリア王…何コイツ!すげぇ笑顔で嫌がらせしてくるんだけど!?」
「ふぉふぉふぉ、ラングストンは頼りになる部下だ。余のお気に入り!」
「良いなぁ…僕も部下に欲しいよ…いや、息子にしたいね!!」
「ありがとうございますリュカ殿。でも全力で拒絶させていただきます!私に貴方様の部下や息子は勤まりません…胃がやられてしまいます!」
ラングストンは笑顔を崩さず、リュカの要望を断り切る。
「で、リュカ…食事も届いた事だし、さっきの続きを話さんか!」
「…何だっけ?」
リュカは具無しのピザを頬張りながら、キョトンとした顔で問い返す。(勿論ワザと…)
「だから人間とエルフは、互いに快い感情を持ってない…で、どうすれば良いのかって事だ!」
「そうですよリュカ…我々の互いに対する負の感情は根強い!払拭するのは容易ではないでしょう…私もお前に出会わなければ、人間が嫌いなままでしたから…」
ロマリア王もエルフの女王も、互いの言葉に頷きながらリュカの言葉を待ち侘びる。
「それそれ…払拭しようと思うから、事態は前に進まないんだ」
「………で、では…どうせよと?」
「互いの種族が、相手の種族に抱いている感情は間違ってはないんだ!事実エルフは強大な魔力を有し、何時でも人間を滅ぼせるし…人間は利己的で凶暴、他種族に対する迫害心を常に秘めている…」
ロマリア王とエルフの女王が頷く…2人だけではない!カリーもアルルも、ロマリア王に側で控えるラングストンも頷いている。
「つまり、その事実は覆せず…我ら種族間の隔たりは、消え去る事はないのか…」
「違うって!何で覆そうと考えるんだよ!良いかい?先に言った事実は、100有る内の1つにすぎない…まだ両種族が知らない事が沢山あるんだ。それを
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