表と裏と
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解ってもらう努力をすれば良いんだ!」
ロマリア王の嘆きに、リュカは何時もの軽い口調で答える。
「カルディア…君は僕の何を知っている?」
「え!?…え〜と…リュカは人間の冒険者で、魔王バラモスを討伐する勇者アルルと共に旅している。聡明な男で心優しい…そしてベッドでの○○○は凄く激しくテクニシャンだ!今、私はお前に恋してる!」
急に振られたエルフの女王は、思わず想いの全てを打ち明けてしまう。
「うん。赤裸々にありがとう!…でも、それが全てでは無い!『バラモス討伐に共に旅立った』と言ったが、それは微妙に間違いだ!僕はバラモスなんてどうでも良い。討伐できなくても構わない。何故なら僕はこの世界の人間じゃ無いから…元の世界に戻る方法を探し歩いているだけ…」
リュカの言葉に驚きを隠せないロマリア王とエルフの女王!
「更には『聡明で優しい』らしいが…どうかな?僕は美女を見れば口説きまくる。この世界でも変わらない…その結果、イシスの女王を孕ませてしまった!それだけならまだしも、僕は子育てに協力することなく、この世界を去ろうと考えている。何故なら、元の世界にも愛人が居て、彼女等との間にも子供が居るから…果たしてその事実だけを見ても、聡明で優しい男なんて言えるのかな?」
リュカは自分をさらけ出した…自分は思っている様な男ではないのだと。
「し、しかし…それでも私にとってリュカは、聡明で優しい…私の恋い焦がれる男性です!それに間違いはありません」
エルフの女王は立ち上がり、少し涙ぐみながらリュカを見据え言い放つ。
「ふふふ…つまり人間やエルフも同じなんだよ。利己的に見られる人間も、優しい心を持っていて共存を願っている者も居る…人間を見下しているエルフにも、人間を愛し共に生きて行きたいと考える者も居る………良い面も悪い面も含めて、互いの種族に理解させるのが、エルフと人間の共存共栄への道なんだ。互いの都合の悪い面を覆い隠すのでは、直ぐにボロが出て、より憎しみ合う結果になってしまうんだ!」
エルフの女王は腰を下ろし、ロマリア王と共に事の困難さに思いを馳せる。
「父さん…それは凄く難しい事ではないのですか?」
「あぁ、そうだよティミー…だから最初に言ったろ…『とても簡単で、凄く難しい』って!でも共に生きて行く以上、互いの欠点は見えてしまう。良い面だけを信じ込まされて、実際に悪い面を目の当たりにしたら、『良い面』として語られた事が幻になり、『悪い面』だけが真実になるんだ!」
暫くの間、室内に沈黙が流れる…
皆がリュカの言う事を理解し、そして難儀である事を思い悩んでいる。
「リュカ…私は貴方の子が欲しい…」
唐突に…エルフの女王が唐突に爆弾発言を投下した!
「……………そう言われても…僕の息子のティミーは、このアルル
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