第三章
[8]前話 [2]次話
「ガラスの肩!」
「今日投げたら今月はもう終わりか!」
「デッドボールだけのピッチャーか!」
星野は特にヤジった、そのヤジを聞いてだ。
札幌のファン達は笑って言った。
「これだこれ」
「センさんのお得意のヤジだよ」
「マウンドの闘志もいいけれどな」
「この激しいヤジがいいんだよな」
「もう中日はこの二つがないとな」
「センさんはやっぱりチームの顔だな」
ファン達は笑って言った、そしてだった。
星野も波に乗ってだ、どんどんヤジって言った。
「名古屋もいいが札幌もいいな」
「ああ、名古屋だとファンも一緒にヤジってくれるけれどな」
「札幌のこの笑顔もいいな」
「また来たいな」
「そうだな」
「よし、ヤジも調子が出て来たぞ」
星野はまた笑って言った。
「じゃあもっとやるか」
「ああ、やってくれ」
「センさんのヤジを出してやれ」
「もっとな」
「そうしてやるか」
星野はそれならとなってだった。
平松をどんどんヤジった、横浜ナインはその彼を見て言った。
「センさん今日は絶好調だな」
「マウンドでも闘志剥き出しだけれどな」
「ヤジは特に凄いな」
「波に乗り過ぎだろ」
「中日としてはよくてもな」
「敵としてはたまったものじゃないな」
「ヤジも野球にはあってな」
昭和の頃はそうした空気も強かった。
「プロなら特にだな」
「甲子園はこんなものじゃないがな」
「あそこはファン全体が凄いからな」
「球場全体でヤジってくるからな」
「いつも満員の甲子園でな」
「何万人が一度にな」
「巨人に対しては特にな」
阪神ファンの巨人への敵意はあまりにも有名である、全人類普遍の敵をそれだけ憎んでいるということだ。尚平松はこの邪悪の権化である巨人を成敗する巨人キラーとしても有名なピッチャーである。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ