第三章
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「ここは」
「そなたが何とか出来るのだね」
「はい、ドレスを二着と馬を一頭ですね」
「そうだよ」
「すぐに出します」
こう言ってだった。
オレンジが誰かを呼んだ、すると。
同じ大きさのオレンジが数個来た、オレンジは他のオレンジ達にあれこれと話した、すると他のオレンジ達は一旦何処かへと去り。
二着の赤い絹のドレスと一頭の赤い馬が来た、王妃はそのドレス達と馬を着て驚いて言った。
「どれも素晴らしい」
「お気に召されましたか」
「ええ、けれどこれだけのものだと値が張るわね」
「妖精のものですがこれだけで」
オレンジは王妃に二着のドレスと一頭の馬の値を言った、すると王妃はこれまた驚いて言ったのだった。
「本当にそんなに安いのですか?」
「はい」
オレンジは素直に答えた。
「妖精の世界ではそれだけの値です」
「これだけのものがなの」
「左様です」
「信じられないわ、けれどね」
「買われますか」
「ええ、これだけのものがそんな安く手に入るのなら」
一も二もないという返事だった、そうしてだった。
王妃はすぐに二着のドレスと一頭の馬を買って末妹への贈りものに加えた、これには王妃も大喜びだった。
そして今度は王がだった。
他国に贈りものをと考えているとだった。
これまたオレンジがだ、こう言ってきた。
「でしたらまた私がです」
「他のオレンジの妖精達とか」
「お話をしてです」
こう王に話した。
「そしてです」
「贈りものを出してくれるか」
「はい、何がいいでしょうか」
「后と同じだ、二着のドレスと一頭の馬だ」
王はオレンジに答えた。
「だが今度の贈りものは男性にでだ」
「赤ではないですね」
「他の色で頼めるか」
「それでは」
オレンジは声で頷いた、そうしてだった。
また他のオレンジ達を呼んで彼等と話をしてだった。
二着の緑のドレスと一頭の緑の馬を出した、そこで値も話したが。
「やはり驚くまでにだ」
「安いですか」
「人の世から見ればな」
「しかし妖精の世ではです」
オレンジは王に答えて話した。
「これがです」
「値か」
「そうなのです」
「ではその値でな」
「買われますか」
「そうしよう」
こうして王もまたその二着のドレスと一頭の馬を買った、そうしてだった。
他国に喜ばれた、他にもオレンジは王宮の仕事を常に万端行いそのうえで何かあると他のオレンジ達を呼んで話をして様々なものを用意した。
こうしたことをしていくうちにオレンジは十五歳の娘位の大きさになったが。
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