第一章
[2]次話
HEART BREAK
振られた、告白してそうなった。
これで何度目か、私は人生でもう指折って数える位になってきたその経験を噛み締めながら今実際に指折って数えていた。
数えると七度目だ、それでバーで同じ職場の女友達に話した。
「七度目よ、これで」
「七度もなのね」
「多いかしら」
「多いわよ、一度や二度はあっても」
友達はカウンターの隣の席から私に言ってきた、何故今バーにいるかというと失恋の痛手を飲んで癒して忘れる為だ。高校の時までは悲しくて絶望して泣いて暫くそうなっていたけれど大学に入ってからはもうその日飲んで忘れる様にしている。就職した今もだ。その私に付き合ってくれている彼女はこう私に言った。
「七度なんて」
「多いのね」
「ええ、今度は告白してなの」
「そうよ、相手がいるらしいわ」
「もうなのね」
「それを知らないで言った私が悪いのよ、けれど相手がいて告白を受ける様な人なら」
これまでの失恋の中の一つ、相手を取られたことから話した。
「そのうち浮気をしてね」
「別れることになるわね」
「そうなるわ、だから振られてよかったかも知れないわね」
「そう思ってるのね」
「これで七度目で」
失恋の数はだ。
「しかもそうした事情だから」
「今回はダメージは少ないのね」
「やっぱり辛いけれど」
このことは事実だ、自分に嘘は吐けない。
「けれどね」
「ダメージは少ないのね」
「ええ、最初の時は死にたくなったけれど」
高校一年の時だ、入学してすぐに同じクラスになった当時の人気のアイドルグループにいそうな子を好きになって告白してラブレターを渡した、けれど。
そのラブレターを目の前で破り捨てられて太っているだの言われて嗤われてこのことを言いふらされた。それで周りに色々からかわれたこともあって私は暫く泣き続けた。けれどその時の親友に励まされて立ち直って彼女が所属していた吹奏楽部文科系でも身体を動かすことも多い部活に入って沢山の友達が出来て痩せもして失恋のトラウマを克服出来た。振った奴はその後色々とやらかして性格が悪いことがわかって学校中の嫌われ者になった。噂では今はチンピラになってお酒と麻薬で身体をどうしようもない位に壊しているらしい。
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