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八条学園騒動記
第六百六十二話 気付けば二本その十七

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「人が言うには悪ならじゃ」
「悪でもいいですか」
「うむ、しかしな」
「そんな連中が言う正義はですか」
「嫌いじゃ、十字軍を見るのじゃ」
「実にエウロパらしいですね」 
 野上君はここでもこの国への偏見を出した。
「お高く止まって偉そうなことを言っていて」
「残虐で野蛮と言うのじゃな」
「ええ、非道で悪辣な」
「連合ではそう言うのう」
「実際そうですよね」 
 野上君は偏見をそのままに博士に話した。
「あいつ等は」
「連合から見ればな」
「やっぱりそうですね、連合はそんなことはないですから」
「暴走した正義はじゃな」
「正義なんて百人いればです」
「百人の正義があるか」
「あいつ等は屑で馬鹿だからわからないんです」
 これも連合で言われていることである。
「多くの正義があってです」
「暴走した正義は正義ではない」
「そのことが」
「わしは連合の見方はせんがその通りじゃ」
 博士はエウロパへの偏見と憎しみを出した野上君にクールに答えた。
「暴走した正義は正義ではないぞ」
「そうですよね」
「そしてじゃ」
「短気で下品で無教養な野蛮人はですね」
「すぐに暴走するからのう」
 そうなるというのだ。
「短気つまり頭にすぐに血が上ってな」
「その時点で理性がなくなりやすくて」
「暴走するからのう」
「しかも下品で無教養なら」
「尚更じゃ」
 それに拍車がかかるというのだ。
「おまけに野蛮ならじゃ」
「暴走しやすいですね」
「極めてな、だからな」
「正しいことをしているつもりでも」
「それは正義ではないのじゃ」
「そうですよね」
「若し暴走することはあっても正しいことをしていると言う奴がいれば」
 その時はというと。
「そ奴とは付き合わぬことじゃ」
「まあ碌でもない奴ですね」
「青二才で愚か者じゃ」   
 そうした輩だというのだ。
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