暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第二百五十三話 蝦夷が収まりその三

[8]前話 [2]次話
「持つな」
「そうしてだ」
「楽しむな」
「そうする、しかし贔屓はだ」
 これはというのだ。
「しない」
「その様にするな」
「そうする様にしている」
「若しそれをするとな」
「女達が揉める」
「そうなるな」
「それなら一人の方がいい」
 英雄は茸を食べつつ述べた。
「妻はな」
「余計な騒動を起こすならな」
「嫉妬はある」 
 どうしてもというのだ。
「人にはな」
「醜いことだがな」
「どうしてもある、嫉妬は一旦起こるとだ」
 そうなればというのだ。
「容易には消えずだ」
「燃え盛っていく」
「そして多くのものを焼いてだ」
 嫉妬の炎、それでというのだ。
「多くのものを滅ぼす」
「焼き尽くすな」
「そうするものだからな」
 それ故にというのだ。
「俺もだ」
「気をつけているな」
「妻や妾が何人もいるとだ」
「全ての者を愛することだな」
「公平にな、大奥は戦場だったという」
 女達のそれであった、将軍の寵愛を奪い合いその結果そうした場所になっていたことは歴史にある通りだ。
「そんな戦場は不要だ」
「無用な戦だな」
「そして最悪の場合だ」
 英雄は飲みつつ鋭い目になって述べた。
「則天武后もだ」
「出るな」
「あれは怪物だ」
 則天武后をこうも言った。
「まさにな」
「宮廷から出たな」
「あの様な者は出してはならない」
「簒奪以前だな」
「己の権勢の為に我が子を殺し」
 則天武后は幾人もそうしてきた、まさに我が子をも殺す様な女であったのだ。
「敵を残虐に殺す」
「そうした者を世に出すとな」
「如何にその者が善政を敷いてもだ」
 その血生臭い行いが宮中だけであってもというのだ。
「害がある」
「多くの血が流れることは避けられない」
「だからだ」
「則天武后はだな」
「出さない様にする」
「そうするか」
「呂后や西太后も同じだがな」
 三人合わせて中国三悪女と呼ばれる、ここに妲己若しくは江青を入れて四悪女とする場合もあるという。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ