第二百五十三話 蝦夷が収まりその一
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第二百五十三話 蝦夷が収まり
蝦夷の統治は次第に軌道に乗ってきていた、札幌や函館を中心として農業や商業、漁業、そして工業が育ってきていた。
本土との貿易もはじまっていた、それで英雄は言った。
「あと少しでな」
「蝦夷の統治の土台が整うとよ」
香織が応えた。
「そうなってきたとよ」
「そうだな」
「それではたいな」
「あと少しでな」
「蝦夷を後にしてたいな」
「大坂に戻りだ」
そうしてというのだ。
「天下を治めてな」
「海の魔神の正体を突き止めるとよ」
「そうする」
朝廷から神託を伺ってというのだ。
「それからな」
「そうたいな、天下をやっと統一したたいが」
「しかしな」
「むしろこれからたい」
「天下この浮島を統一して終わるなら」
そうであるならというのだ。
「ことは実にだ」
「楽なことたいな」
「俺達にとってはな」
「そうたいな」
「天下の統一を神を倒し世界を救うことのどちらが困難か」
「後者に決まってるたい」
香織は即座に答えた、答えつつ酒を飲んだ。今彼等は石狩鍋を囲んでそのうえで飲んで食べつつ話をしているのだ。
「もうそれは」
「そうだな」
「神様と戦ってたい」
「世界を救うとなるとな」
「とんでもなく大きなことたい」
だからだというのだ。
「もうそれこそたい」
「途方もなく大きいな」
「まっことそうたい」
こう言うのだった。
「途方もなくとよ」
「だからこれでだ」
「安心したり喜ぶことはなかとよ」
「そうだ」
まさにという返事だった。
「これからだ」
「そうたいな」
「そもそも魔神のことはわかっていない」
肝心の彼のことはというのだ。
「敵のな」
「そうたいな」
「それなら倒すにはどれだけの力が必要か」
「わかってないとよ」
「そうだ」
そうした状況だというのだ。
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