第二章
[8]前話
「リストラもしてないしね、色々節約しても」
「それでもなのね」
「ご飯食べられるし借金もないから」
「いいのね」
「こうして皆にも会えるしね」
「そういえば表情明るいわね」
「こうした時もあるってお父さんとお母さん言ってるし」
景気がよくなったり悪くなったりするというのだ。
「だからね、また景気がよくなるまでね」
「頑張るっていうのね」
「景気の悪い時こそ頑張れとも言うし」
「前向きに」
「そう言うしお父さんもお母さんも頑張ってるしそろそろお兄ちゃんも跡継ぐ為に働きはじめるしね」
「あんたもなのね」
「前向きによ」
高校時代とは全く違うファッションだったが笑顔はそのままだった、それからまた数年後今度は就職してだった。
友人はまた同窓会に出たが今度の理美はブランドものの服を着てシャネルとはいかずともいい硬水を付けメイクもしていた、友人はその彼女を見て言った。
「景気戻ったのね」
「そうなの、それで今度結婚するのよ」
理美は昔から変わらない笑顔で応えた。
「お家の会社に就職してそこで取り引き先の人と知り合って」
「それでなのね」
「凄くいい人でね」
「その人と結婚するのね」
「そうなの、人生色々あるわね」
ここでだ、理美はこうも言った。
「本当に」
「それはそうね」
友人も否定しなかった。
「あんたにしても」
「けれどだからこそ面白いし」
「面白いの」
「ええ、だからね」
それでと言うのだった。
「これからも頑張っていくわ」
「前向きによね」
「そうしてね」
この時も友人と共にビールを飲んでいた、そのうえで話す彼女の顔はこれまでと同じくとても明るいものだった。
人生山ありで 完
2022・6・26
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