町の未来を憂う者
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<エコナバーグ>
「な!?5億ゴールド!何考えてるんやリュカはんは!」
オーナーから事の経緯を大まかに聞いたエコナは、旧知のリュカに対し至極当然な反応をする…
「だって…僕はステージに上がって歌を披露したんだよ!そっちのお嬢さんが言ってた!『ショウを観たら、料金を払うのが当然!』って…」
「そ、それはプロが正式にステージで歌を披露したからや!リュカはんはプロとちゃうやん!」
「僕プロだよ」
「ふざけんなや!リュカはんの何処がプロやねん!」
「じゃぁ、アイツ等の何処がプロなんだよ!?この劇場で下手くそな歌を披露した、あの2人はどの辺がプロなんですか?」
「そ、それは…」
優しく微笑むリュカを前に、脂汗をかき口籠もるエコナ…
「言った者勝ちじゃん!『私はプロですよ〜!』って!」
「で、でも…金取るなんて知らんかったんや…後から言うなんてズルイやん!」
「後から言って来たのはそっちだろが!帰り際になって『観賞料50000ゴールドです』って、先に吹っ掛けてきたのはそっちだ!」
「ご、50000ゴールド!?」
エコナが急に大声を上げ驚く!
「何だ…知らなかったのか…きっと今までボッタクってたんだよコイツ!」
エコナはオーナーに向き直り、厳しい表情で問いつめだした。
「何考えてんや…あの二人の出演料は1ステージで2000ゴールドやで!」
「すげ…客1人でお釣りがくるじゃん!…儲けは全部、其奴のポッケの中か?」
「し、しかし…エコナ様は私に一任してくれたではないですか!?」
「そりゃ劇場経営は任せたけど、50000ゴールドは非常識やろ!お客が来なくなるやん!」
エコナはオーナーの襟首を掴み、殴りそうな勢いで怒鳴りつける。
「何を甘い事を…どうせ直ぐにこの町は寂れるのです…今の内に取れるだけ取っておかねば…」
オーナーはエコナの剣幕に焦ることなく、イヤラシイ笑みのまま本音をさらけ出した。
「………消えろ!お前はクビや!今すぐこの町から消えろ!」
「ふん!喜んで出て行きますよ…沈みかけた船に居着くほど酔狂では無いのでね…」
オーナーは取り巻きと元受付嬢を従えて、劇場から出て行こうとする…
「おい、待て!」
彼等を止めたのはリュカだった。
立ち止まりリュカを訝しげに見るオーナー。
「お前…声からしてムカつく!もう喋るな!!」
そう言うとオーナーの下顎に左手を這わせ、力任せに握りつぶした!
「きゃがっっっがが!!」
言葉にならない悲鳴を上げるオーナー…
「ベホマ」
リュカはオーナーの顎を握りつぶしたままでベホマを唱える…
オーナーは激痛が治まり静かになった。
「よし!これでお前のムカつく台詞を、二度と聞かずに済むね。………次は誰かな?」
リュカはそう言ってオーナーの取り巻き
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