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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)
町の未来を憂う者
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連中を見回した。
血相を変えて逃げ出す取り巻き連中!
喋れなくなったオーナーも「あうあう」言いながら、一緒に逃げ出して行く。


「リュカはん…ありがとう。お陰で助かったわぁ…あんな最低な野郎だったなんて…」
「何甘い事ぬかしてんだバカ女が!」
誰もが驚いた…エコナだけではない、アルル達もリュカの台詞に驚愕する!
「リュ、リュカはん…」

「エコナ…君は町造りを甘く見てないか!?ただ施設を建て、責任者を据えて任せれば良いと考えてないか!?」
リュカは怒っていた…
「責任者を指名するのならば、能力と人となりを考慮に入れなければいけないんだ!」
「そないな事言うても、あないな人間とは思わなかったんや!」

「僕は人選ミスを責めてるのではない…エコナも人間なのだから、ミスをするだろうし、奴も本音を隠してエコナに接触して来たのだろうから、見抜く事は容易ではないだろう…だからこそ、任命した後も注意深く状況を把握する事が必要なんだ!君は任せっきりで、劇場の事を何も知らないのだろう!スパイを仕立て、客として劇場に向かわせれば、このボッタクリは直ぐに発覚したに違いない…」
厳しい瞳でエコナを睨みながら話すリュカ…

「そ、そんな事言うたって…ウチかて忙しいのや…アレもコレも一片に出来へん!」
「だったら町造りを一時停止させ、時間を作れば良いだろ!まともに機能しない施設を作って、町を成長させてる気か!?笑わせるな!町も人も、少しずつ成長するものなんだ…焦ったって膿が広がるだけだ!さっきのオーナーみたいな膿が…」
気付くとエコナは泣いていた…
リュカの厳しい言葉に…いや、自分の愚かさにかもしれない…

「良く聞きなさい…人が居るから、町や国が必要になるんだ。逆はあり得ない…極論すれば、町や国が無くても人は生きて行ける…でも町や国は人無しでは存在できない!何故だか分かるかいマリー?」
急に振られ驚くマリー…

「え、え〜とですね…町や国は、人々が生き易い環境を整える為にだけ存在してるから…です!」
「その通り!其処に住む人々を犠牲にして町を大きくしても、規模が大きくなるだけで質は低下する!」
マリーはホッとした表情で力を抜き、リュカの事を見つめ続ける。

「エコナ、憶えてるかい?ロマリアで王位を断った時の僕等の会話を…」
「憶えてる…『権力には責任が付いて来るんだよ!権力が大きければ大きい程、責任も大きくなる』って言うてた」
「そう…町の長として、君は好き勝手に施設を建設させる事が出来る…でもそれには責任が付き纏うんだ!より良く町を成長させる責任が!君はそれを果たしてない………この町を見回ったけど、診療所が少なすぎる…商業施設や娯楽施設などの金儲けがし易い施設は多いけど、町民の為の福祉施設が極端に少ないよ!」


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