暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第116話:似て非なる者
[5/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ないか? そう思い颯人が接近すると、メデューサは彼が近付いてくるのを嫌がるかのように距離を取ろうとしながら次々と魔力球で攻撃してきた。

「こいつでどうだ!」
〈バインド、プリーズ〉

 逃げると言うなら捕まえればいい。颯人はバインドの魔法でメデューサの体を拘束し、逃げられない状態にしてから接近していった。

 藻掻くメデューサに接近する颯人。しかし彼がある程度近付いたその時、メデューサの持つ杖が怪しい光を放ちだす。

「ッ!? ヤベッ!」

 背筋にゾワリと悪寒が走るのを感じた颯人は、コピーで増やした方のウィザーソードガンをメデューサに向けて放りながら転がるようにその場から離れた。直後、彼が手放したウィザーソードガンに杖から伸びた無数の蛇が絡みつき、締め付けて粉砕してしまった。
 それだけでなく、蛇はメデューサを拘束している魔力の鎖をも食い千切るようにして、彼女を束縛から解き放つ。

「惜しい……もう少しでお前をボロ雑巾の様に絞ってやれたと言うのに」
「随分と便利な物を持ってるじゃねえか」

 接近戦に持ち込めば何とかなると思った、颯人の思惑はこれで崩れる事になった。だがその一方で、このメデューサが以前のメデューサと異なる存在ではないかと言う疑念が彼の中で高まった。

 以前のメデューサは、曲がりなりにも幹部の一角として遠近両方の戦いに対応できていた。それに対し今のメデューサは、どちらかと言うと魔法での戦闘の方に重きを置いているように見える。颯人のバインドに対し、杖で弾いたりせず拘束されたのがその証拠だ。以前のメデューサであれば例え同じ捕まると言う結果になるとしても、ライドスクレイパーである程度は鎖を弾いたりはする筈である。

 これはもしかすると……と颯人が考え出したその時、通信機から朔也の切羽詰まったような声が響いた。

『が、ガングニール破損! 颯人、響ちゃんが!?』
「チッ、やられちまったか」

 どうやら響がミカとガリィに敗北を喫したらしい。だが話を聞く限りだと、飽く迄ガングニールが破損しただけで命に別条はないようだ。
 とは言えギアを破壊され、生身を晒してはどんな不測の事態により響の生命が脅かされないとも限らない。響の救助は必要不可欠だと言えた。

「藤尭さん、響ちゃんの方はどんな状況? あの2体は?」
『オートスコアラーは撤退、現場には響ちゃんと未来ちゃんの2人が残されている!』
『待って! 今響ちゃんの所にウィズさんが向かったわ。未来ちゃんと一緒にこっちへ連れてくるって』
「んじゃ、向こうはもう大丈夫か。お互い連れが居なくなったが、どうする?」

 ウィザーソードガンの切っ先を向けながら颯人が問うと、メデューサはフンと鼻を鳴らして杖の石突で地面を突いた。すると倒れているメイ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ