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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第116話:似て非なる者
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れてしまったが、幸いな事にまだ梯子が残っている。
響を逃がした颯人は、ミカを見据えながら左手にウィザードリングを嵌めた。
「さ〜て、お前の相手は俺がしてやる」
「ぶ〜、私はお前の相手をするように言われてないんだゾ。そう言うのはハンスの役割なんだゾ」
「ハンス……ってのは、あのビーストの事だな? お前ら、何企んでる?」
エルフナインから事前にミカが一番戦闘力の高いオートスコアラーである事は聞いていた。故に油断なく警戒していた颯人だが、言葉の節々から彼はミカが性格が幼く腹芸には向いていない事に気付いた。
これはもしかすると、上手い事キャロル側の情報を引き出せるかもしれない。
「そんな事言う訳がないゾ」
「だろうな。そこまでアホじゃないか。……じゃあ質問を変える。何でさっさと響ちゃんを始末しないんだ? やろうと思えば何時でもやれただろ?」
響だけではない。先日のマリアもそうだし、こいつらは兎に角明らかに装者を始末できるという状況でトドメを刺さずに退いている。まともにトドメを刺そうとしてきたのは恐らくハンスだけだろう。颯人にはそれがどうにも腑に落ちなかった。
颯人の問いに対し、ミカは何を言ってるんだと言う様な顔をした。
「そんなの、歌ってもらわないと困るからに決まってるゾ」
「困る? 何で? どうせ装者倒すなら、変身する前にやった方が手っ取り早いだろ?」
「それは――――」
ミカが何かを言おうとする。颯人はそれを待ち構えていたが、不意に飛んできた氷柱に彼は咄嗟に話を聞くのを止めてウィザードに変身した。
「ちっ!」
《font:199》《color:#ff0000》〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉《/color》《/font》
変身の際に現れる炎の魔法陣が、飛んできた氷柱を受け止め炎で溶かす。そのまま颯人が変身すると、ミカのすぐ近くにガリィが姿を現した。
ガリィはミカに近付くと、問答無用でその頭をぶん殴る。
「このバカ!? 何口走ろうとしてんだお前は!!」
「あぅ〜、痛いゾ〜」
「うるせぇ! 良いからお前はあっち何とかしてろ!」
押し出すようにミカは響達の後を追いかけに向かい、その場には颯人とガリィだけが残される。颯人は立ち塞がるガリィを前に、やれやれと溜め息を吐いた。
「いきなり人に氷柱を投げるとは、礼儀がなってないな」
「あら〜、女の子相手に刃物振り下ろした挙句根掘り葉掘り聞き出そうとする殿方には劣りますよ」
こちらのガリィはミカと違い、腹芸には強いタイプの様だ。少なくとも簡単に情報をバラしたりはしてくれないだろう。
だが収穫はあった。連中には装者を直ぐに仕留められない理由がある。それが分かっただけでも颯人にとっては十
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