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おぢばにおかえり
第七十話 詰所はお家その九

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「歩いてですと」
「自転車あるわよ」
 私はどうしようかという表情になった新一君に答えました。
「それ使えばいいのよ」
「自転車あるんですか」
「詰所にね」
 住み込みの人用のものが数台あります、実は私も入学してから使わせてもらっています。ちょっとした移動に凄く便利です。
「だからそれ使えばいいのよ」
「じゃあ先輩も一緒に乗って下さい」
「いや、私が乗る分もあるわよ」
「二人乗りで行きましょう」
 いつもの明るさで言ってきました。
「そうしましょう」
「二人乗りって」
「それだと一台で済みますしその分他の人が乗れますよ」
「二人乗りは危ないでしょ」
「僕が運転して先輩はしっかり掴まっていて下さい」
「新一君に?」
「はい、そうすればいいですよ」
 私に明るい笑顔のまま言ってきました。
「どうですか?」
「ヘルメットした方がいいわね」
 私はすぐに答えました。
「それなら」
「一緒に行ってくれますか」
「確かに自転車の方が速いから」
 何といってもです。
「だからね」
「僕が運転して」
「私は後ろね」
「しっかり掴まっていて下さいね」
「ええ、ただあまりとばさないでね」
 このことは注意しました。
「いいわね」
「安全第一ですね」
「二人乗りだから余計にね」
「そのことは注意しないと駄目ですか」
「何といってもね」
「それじゃあ注意します」
「お願いね」
 二人でこうしたお話をして駅の向こう側にある彩華ラーメンのお店に行くことにしました。おぢば名物のラーメンを食べに。
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