第六話 エトワール、または舞台の踊り子その十二
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「覚醒剤ですね」
「間違いないね」
「そうですね。それです」
「他にもある様だよ」
「他には?」
そのまま理事長の部屋の他の部屋も調べていく。そしてだった。その中にはだ。
マリファナやコカイン、ヘロインといった様々なドラッグがあった。名のあるドラッグは全て揃っていると言ってもよかった。そうしたドラッグ達を見てだった。
十字はだ。こう神父に言った。
「ここまで持っているとなると」
「かなりのルートとつながっていますね」
「うん。そして理事長もね」
「薬物中毒の疑いがありますね」
「そう思っていいね。それにしても」
「この少女達を何とかしないといけないですね」
「このままではこの娘達は破滅してしまう」
麻薬によりだ。そうなるというのだ。
「だから。まずはね」
「ですが理事長に裁きを与えるのはまだですね」
「うん、まだだよ」
それはまだ先だというのだ。そうするのはだ。
「それは先だよ。まだ調べることは多いよ」
「そうですね。この塾の闇は想像以上に深いものですから」
「うん。あの不良四人がこの十階に入ったことも気になるし」
「彼等は何故その階に入ったのでしょうか」
「おそらくは手先だね」
「それですか」
「そう。彼等は小者の中の小者だよ」
小悪党の中でもだ。チンピラに過ぎないというのだ。そしてチンピラだからこそだというのだ。
「理事長に使われているんだよ」
「麻薬やそうしたことに」
「それにだね」
ここでまたファイルを開いた。陵辱される少女達の姿を写したファイルを。
見ればそのファイルには陵辱を加える相手として理事長がいた。その他にもだ。
四人もいた。その彼等の姿を見てだ。神父は言った。
「これは」
「そう。彼等も理事長と共犯だね」
「では麻薬もですね」
「知っているよ。小悪党にはモラルがないものだから」
それ故にだというのだ。
「手を出しているよ」
「ですね。やはり」
「下衆は何処までも下衆だよ」
表情を変えないまま言う十字だった。
「悪に入っていくんだよ」
「小悪党の悪に」
「この他にもいるだろうね」
十字はここでこんなことも言った。
「この四人以外にも理事長の協力者がね」
「ではそれは誰でしょうか」
「二人かな」
その数もだ。十字は神父に話した。
「理事長の協力者、そして裁かれるべき輩はね」
「あと二人ですか」
「合わせて七人だね」
今度は全員合わせた数が述べられる。
「今回の仕事はね」
「今回は多いですね」
「そうだね。妙にね」
「それだけ悪が多いということですか」
神父は少し嘆きながら十字に述べた。
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