第六話 エトワール、または舞台の踊り子その十二
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「それ故に枢機卿は神の裁きを」
「悪が多い。そうだね」
「醜い悪が」
「悪は多い。いつも思うことだけれど」
十字はその神父にだ。こう返した。
「そして言っているね」
「そうですね。そしてでしたね」
「そう。悪が多く善が少ないかというと」
「決してそうではない」
「悪と善は人の中にあり人は対称であるからこそ」
「悪と善は拮抗している」
「極めて不安定な存在だけれどどちらが多くどちらが少ないということはないんだよ」
十字はいつも通り淡々と、かつ表情も感情も見られない声でだった。抑揚なく述べていく。
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