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イベリス
第五十七話 梅雨だからその三

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「やっぱりね」
「面白いからですね」
「売れているんだよ」
「そうですね」
「それでアニメ化されてね」
 売れていてというのだ。
「それで余計にだよ」
「話題になって」
「尚売れてね」
「今じゃ五千万部ですね」
「アニメもよかったけれど」
「そもそもが面白いんですね」
「キャラがよくてストーリーもよく出来てるから」
 その為にというのだ。
「人気が出るんだ」
「そういうことですね」
「だから小山さんもよかったら」
「読むといいですか」
「お勧めだよ」
 部長は微笑んで話した。
「実際にね」
「うちの部室にもありますし」
「今出ているだけね」
 全巻揃っているというのだ。
「あるよ」
「それならですね」
「今すぐにでもね」
「読んでいいですね」
「遠慮はいらないよ」
 部長は咲に笑ってこうも言った。
「面白い作品は読めるならね」
「読むことですね」
「好きなだけね、だからね」
「今からでも」
「読んでみたらいいよ」
「わかりました、それじゃあ」
 丁度今読んでいる作品が終わったのでだった。
 咲は実際にその作品も読んでいった、するとだった。
「あっという間だったのね」
「部活終わる時間になったのよ」
 咲はスマートフォンで7愛に話した、夕食後でかなりくつろいでいる。
「その間にね」
「それは集中して読んでいたからよ」
「あっという間だったのは」
「そう、面白くてね」
 その為にというのだ。
「読んでいてもよ」
「集中していて」
「時間が過ぎるのも忘れていてね」
 それでというのだ。
「あっという間だったのよ」
「そうなのね」
「その漫画のことは私も知ってるけれど」
「有名だしね」
「もう社会現象よ」
「そこまで人気よね」
「だからね」
 その為にというのだ。
「私もよ」
「知ってるのね」
「そうよ」
 まさにというのだ、愛は電話の向こうの咲に笑って話した。二人共今は実にくつろいだ格好で自宅にいる。
「キャラもね」
「ドラケンさんも?」
「大好きよ」
 これが愛の返事だった。
「有り得ない髪型だけれど恰好いいわね」
「確かに有り得ない髪型ね」
「頭に入れ墨入れてね」
「あれ凄いわね」
「入れ墨は抵抗あるけれど」
「私もね」
 咲もそれはと返した。
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