第五十七話 梅雨だからその二
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「今度の同人誌は呪術にしますか?」
「それにします?」
二年の男子生徒が応えた。二年は男子二人と日本人の女子二人にフランス人の女子を入れて五人三年は部長と副部長に男女二人ずつうち二人はアメリカ人の六人一年は咲と中国人の女子に三人の男子という状況だ。
「今回は」
「どうかしら」
「人気ありますしね」
二年の男子の一人はこう答えた。
「それなら」
「ええ、呪術でね」
「いきますか」
「それでホームページのイラストは」
副部長は今度はそちらの話をした。
「それに合わせようかしら」
「呪術ですか」
一年の中国人の女子が応えた。
「そちらもですか」
「そうしようかしら」
「あっ、私リベンジャーズ描きたいんだけれど」
三年の女子の一人が言ってきた。
「駄目?」
「いいんじゃないかな、イラスト数に制限ないし」
部長が応えた。
「描きたいものを描いてね」
「発表すればいいわね」
「うん、そしてね」
そのうえでというのだ。
「観てもらおう」
「それじゃあね」
「それでキャラは誰かな」
部長は彼から見て同級生にあたる彼女に尋ねた。
「一体」
「ドラケン考えてるけれど」
「あのキャラなんだ」
「どうかしら」
「いいね」
部長は副部長に笑って応えた。
「じゃあ頼むよ」
「描くわね」
「うちのホームページ容量あるからね」
「だからイラストもね」
容量が大きいがだ、画像関連はどうしてもそうなる。
「今もかなり載せているけれど」
「まだまだね」
「載せられるから」
だからだというのだ。
「いいわね」
「うん、それじゃあね」
「描くわね」
「宜しく頼むよ」
「リベンジャーズですか」
咲は今の二人のやり取りを聞いて述べた。
「何かですね」
「どうしたのかな」
「いえ、私はあまり読んでいませんが」
「小山さん嫌いかな」
「あまり不良漫画は読まないんです」
部長にこう話した。
「あまり合わなくて」
「好みじゃないんだ」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「昔からです」
「あまり読まないんだ」
「ですが面白いですか」
「不良漫画抜きにしても面白いよ」
部長は咲に笑顔で話した。
「アニメ化して単行本も凄く売れたけれどね」
「五千万部ですね」
「それまでも一千万部売れてるからね」
「一千万部も凄いですよね」
「アニメ化以前にそれだけ売れるってことは」
アニメ化して話題になる前からというのだ。
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