第五十七話 梅雨だからその一
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第五十七話 梅雨だから
漫画部の部室に行くと除湿器があった、咲はその除湿器を見て言った。
「これは」
「先生が持って来てくれたんだ、さっきね」
先に部室にいた部長が自分の席から答えた。
「梅雨だからね」
「湿気が多いからですか」
「漫画は紙だから」
それ故にというのだ。
「湿気が多いとね」
「よくないですね」
「その分傷みやすいから」
「それで、ですか」
「先生が除湿器を持って来てくれてね」
そうしてというのだ。
「湿気を取る様にしているんだ」
「そうなんですね」
「だからうちの部活は古い漫画でも保存状態がいいんだ」
「湿気にも気を使っているので」
「それでよく掃除して埃も取っているから」
そうもしてというのだ。
「清潔にもしているしね」
「湿気にも気を使っているので」
「直射日光も避けているし」
このことも気をつけているというのだ。
「だからね」
「保存状態がいいんですね」
「そうだよ、漫画を読んで描くこともいいけれど」
「保存のこともですね」
「気をつけないとね」
さもないと、というのだ。
「よくないからね」
「ちゃんとしているんですね」
「そうだよ、それとね」
「それと?」
「窓は開けてね」
部室のそれの話もしたのだった。
「涼しくしようね」
「暑いですしね、もう」
「クーラーもあるけれど」
「それよりもですね」
「うん、除湿器を切ったら」
「窓を開けて」
「涼しくしてね」
そうしてというのだ。
「快適に過ごそう」
「わかりました」
「そういうことでね、しかし小山さん早いね」
部長は窓を開けている咲にこうも言った。
「いつも」
「いや、アルバイトがないと」
咲は部長にすぐに答えた。
「それで掃除当番でもないと」
「すぐに来てくれているんだ」
「そうしています、他に行くところもないですし」
「そうなんだね」
「それを言ったら部長さんも」
「まあね、僕もね」
部長は咲に笑って応えた。
「授業が終わったらね」
「すぐに来られてますね」
「漫画を読みたくてね」
「それで、ですか」
「すぐに来ているんだ」
「そうですか」
「じゃあ今日も読もうね」
「わかりました」
咲は部長の言葉に頷いた、そうしてだった。
窓を開けると席に着いて漫画を読みはじめた、次第に他の部員達も来てそのうえで色々な漫画を読み。
自分達のホームページや同人誌の話もした、すると副部長が言った。
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