第一章
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これ以上はないまでの優しい生きもの
ゴリラについてだ、アメリカで仕事のかたわら生きものの保護活動を行っているアレックス=フィリップス収まりの悪いブロンドの髪にブルーの目を持つ長身の彼はデトロイドの動物園の中でゴリラ達を前にして語っていた。
「怖そうに見えてもなんです」
「ゴリラはですか」
「大人しいんですね」
「賢くて優しいんです」
こう一緒にいる人達に話していた。
「森の賢者って言われる位に」
「映画とかじゃ悪役ですが」
「獰猛な」
「けれどですか」
「それが違いますか」
「全く違います」
強い声で言い切った。
「これが」
「そういえば完全なベジタリアンで」
「一切殴ったりしない」
「胸を叩いて威嚇するだけで」
「暴力も振るわないそうですね」
「そうです、人間よりもです」
それこそというのだ。
「遥かにです」
「大人しくて優しい」
「しかも賢い」
「そんな生きものですね」
「ですから」
それでと言ってだった。
フィリップスは一緒にいる人達にゴリラ達を観る様に手振りで促した、そうするとそこにであった。
ゴリラ達がいるが彼等だけでなく。
ウッドチャック、齧歯類であるこの生きもの達もいてだった。
ゴリラ達と仲良く一緒に遊んでいた、特にシルバーバック毛が歳を取って人の白髪の様に銀色になっているリーダーと思われる年老いた雄がだった。
彼等と特に仲良くしていた、誰もがそれを見て言った。
「あんな小さな生きものにもですね」
「凄く優しいですね」
「絶対に握り潰さないですね」
「丁寧な仕草ですね」
「あれだけ体格差があってもです」
それでもとだ、フィリップスも話す。
「仲良くなれてしかもです」
「常に優しく出来る」
「そうした生きものなのですね」
「それがゴリラなんですね」
「そうです、とても優しいんですよ彼等は」
「ウホウホ」
「キキッ」
とても仲良くだ、ウッドチャックと遊ぶ彼等を紹介しつつ言うのだった。
フィリップスはその活動の中でアメリカ以外に行く時もある、この時彼はカメルーンにある霊長類を保護して自然のままの環境の中で育てている動物保護団体を訪問した。そこにもゴリラ達が大勢いるが。
その中の一匹、シルバーバックの雄でこの施設のゴリラ達のリーダー格であるボボという雄がだった。
小さな霊長類であるプッシュベイビーと仲良く遊んでいるのを見て目を細めさせた。
「ウホッ」
「キッ」
「こうなんですよね、ゴリラって」
「ええ、優しいんですよね」
「どんな小さな生きものにも」
「一緒に遊んでも気遣って」
「絶対に握り潰したりはしません」
「ゴリラは力は強いですが」
フィリップスはそれでもと話した。
「
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